放送日:2005年2月16日
あらすじ
公式
名門女子高の生徒が殺人事件の容疑者に!?
謎のメモをもとに学園に隠された秘密に迫る右京と薫だが…。薫(寺脇康文)が、偶然とある健康ランドで覚せい剤取引の現場をおさえた。とはいうものの、手柄は生活安全部の角田課長(山西惇)へ。腐る薫が例によって右京(水谷豊)からイヤミ半分たしなめられていると、鑑識の米沢(六画精児)がやってきた。なにやら川から男のくせに真っ赤な口紅を塗った水死体が発見されたという。興味を抱いた右京と薫は、鑑識課で詳しい話を聞くことに。
遺体の身元は江川(近藤公園)という住所不定、無職の男。後頭部に傷はあったが、肺から淡水プランクトンが検出されたことから死因は水死で間違いないらしい。それにしてもなぜ化粧をしていたのか。遺体の内ポケットから「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれた紙片が発見されていたが、それを手にした右京は紙片に聖ジュリア女学院の校章の透かしがあることを発見して…。
さっそく右京と薫は、名門として有名な聖ジュリア女学院の校長・綾子(涼風真世)と面会する。綾子は紙片を確認、同校の生徒手帳であることを認めるが、「人の命を奪うような生徒は断じて存在しません」と言い放つ。そんな綾子の強い意志に、右京は綾子の祖父でシェークスピアの研究家でもあった創立者・龍ケ崎善造が提唱した創立精神を口にする。善造を記念して同校では創立記念日にシェークスピアの戯曲を必ず上演しているという。そんな右京の造詣の深さに感激した綾子は、喜んで綾子の父が作ったというバラ園を案内する。右京はそこで綾子の父が創立50周年に植えたという記念樹への綾子の深い愛情を知る。遺体が発見された地点は、満潮時には東京湾の海水が上がってくることがわかった。死亡推定時刻はちょうど満潮時。なのになぜ淡水プランクトンしか検出されなかったのか。右京らが改めて疑問を感じていると、野田(小路勇介)という男が容疑者として逮捕された。捜査一課では、野田が江川から借りた300万円の返済を迫られ殺した、と見ているらしいが、右京は無職の江川が300万円という大金を貸した事実に疑問を抱く。
江川がつけていた口紅が演劇用の化粧品であることが判明した。前回、聖ジュリア女学院を訪ねたとき、偶然演劇部の久美子(水谷妃里)がたばこを吸っていたのを見ていた薫は、同校の演劇部に不審を抱く。同校の演劇部のノートを調べた右京らは、事件前日に「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれているのを発見する。しかも、書かれている文字はあの紙片と同じ筆跡…。右京と薫は、落とした生徒手帳を見つけたと久美子から話を聞く。久美子は江川が持っていた紙片の文字は自分のものと認めたが、江川との関係は否定。気づいたときに、そのページだけ何者かに破られていたという。綾子と仲がいい久美子は嫉妬の対象になっているらしい。が、生徒手帳を拾ったというのは右京らのウソ。怒った久美子は今の証言もすべてウソだったと吐き捨てる。
化粧品のメーカーが演劇ノートにあった注文を受けていないことが判明した。そんな事実を知らされた綾子は久美子が部費を横領していたことを認めるが、久美子も江川と援助交際をしていた事実を告白。しかし、その後の調べで事件に覚せい剤取引が絡んでいる可能性があることがわかり、意外な方向へと展開していく…。
ネタバレあり
- 亀山、健康ランドで偶然覚醒剤の売人を捕まえる。
- 隅田川で口紅を塗った男(江川)の遺体が上がり、興味を覚えた右京は調べ始める。
- 江川が持っていた「口紅 3本 ファンデーション 4箱」というメモに透かしが入っており聖ジュリア女学院の校章と気付く。
- 聖ジュリア女学院校長の龍ヶ崎に聞くと生徒手帳を破ったものだろうという。
- 右京が遺体の上がった場所で釣り人に話を聞くと、満ち潮になれば海の魚も釣れるという。事件当日の東京湾の満潮時刻と死亡推定時刻はほぼ同じなのに淡水プランクトンしか検出されなかったこと、川を流れたことによると思われる遺体の損傷はなかったことから推理していると「被疑者はすでに捕まった」と言われる。被疑者の取り調べを覗くと、江川から3百万も借りていたという話を耳にする。
- 遺体が使用していた化粧道具は孔雀堂というメーカーの舞台用のものと判明。聖ジュリア女学院の演劇部の道具を確認するとメーカーが一致。また、部費の使い道を記したノートを見ると事件前日に「口紅 3本 ファンデーション 4箱」という記録を見つける。
- 江川の持っていたメモの字と部費のノートの字が似ていたことから、演劇部部長の山内久美子に「生徒手帳を拾ったのだがあなたのではないか、メモ用のページが1枚破られている」と話し掛けると久美子は「私のです」と受け取る。「江川が破られた生徒手帳の1枚を持っていた、あなたと知り合いだったのではないか」と聞くと「演劇部で必要なものを忘れないように持っていたが気が付いたらそのページだけ破られていた」と答えるも、右京が持ってきた生徒手帳は自分のものではないとわかり「今のは全部うそ」と出ていく。
- 孔雀堂に確認したところ注文がなかったことから右京が龍ヶ崎に話を聞くと、久美子の家庭は経済的にも苦しい状態で授業料を捻出するために部費を横領していたという。
- 亀山が久美子に話を聞くと、江川と援助交際をしており生徒手帳を高く売ってくれるというので渡したが江川が殺されてすぐに買い戻したという。
- 亀山が健康ランドで捕まえた男の売買記録から、右京は「ファンデーションは覚醒剤、口紅は注射器のことであのメモは覚醒剤の注文を書いたものに違いない」と見抜き、部費のノートと照合すると注文の内容と覚醒剤の売上が一致。それを久美子に突きつけると「あれを最後の取引にしてやめるつもりだったが江川がまとわりついてきた」と江川を殺したことを認める。
- 龍ヶ崎に久美子が自白したことを話すと、龍ヶ崎は「あの男を殺したのは私、車に血が残っているのが証拠」と江川を殺したことを認める。「生徒が覚醒剤に関わっていたことを公表すると脅された」ということを動機として挙げるが、右京が「学校の名誉を守るためだけに犯行を犯すとは思えない」と言うと「父のバラが汚されるのが耐えられなかった」と本当の動機を話す。また、久美子が江川に渡した注文のメモが見つからなかったため、あくまで化粧品であると印象づけるために江川に化粧を施したことを認める。
感想/気になる点など
- 聖ジュリアは土日も授業あるの?
- 右京「物語の結末を決めるのは、校長先生、あなたです」、亀山「決めてください、あなたにはその義務がある」って、犯人が罪を決めて(選んで)いいの?
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:奥寺美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
川原和久:伊丹憲一
大谷亮介:三浦信輔
山中たかシ(山中崇史):芹沢慶二
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
涼風真世:龍ヶ崎綾子(聖ジュリア女学院校長)
水谷妃里:山内久美子(聖ジュリア女学院演劇部部長)
近藤公園:江川良治
少路勇介:野田久雄
藏内秀樹:孔雀堂(化粧品屋)店主?
龍坐:亀山が逮捕した覚醒剤の売人
卜字たかお:釣り人
志水正義:大木長十郎
春延朋也:聖ジュリア女学院の用務員
海老沢神菜:聖ジュリア女学院の演劇部員?
久保田龍吉:小松真琴
中浜奈美子:聖ジュリア女学院の演劇部員?
岡田麻央:聖ジュリア女学院の演劇部員?
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
---|---|
聖ジュリア女学院のバラ園 | 島田市ばらの丘公園[HP] |
聖ジュリア女学院 | 北区中央公園文化センター[HP] |
亀山が売人を逮捕した健康ランド | にいざ温泉[HP] |
隅田川(江川の死体が上がった場所) | 荒川河口[地図] |
聖ジュリア女学院 講堂 | 群馬大学 工学部同窓記念会館[HP] |
江川が殺された池 | 京王フローラルガーデンアンジェ |
<撮影場所ごとのまとめ>
島田市ばらの丘公園[HP]:聖ジュリア女学院のバラ園
北区中央公園文化センター[HP]:聖ジュリア女学院
にいざ温泉[HP]:亀山が売人を逮捕した健康ランド
荒川河口:隅田川(江川の死体が上がった場所)
群馬大学(工学部同窓記念会館)[HP]:聖ジュリア女学院 講堂
京王フローラルガーデンアンジェ:江川が殺された池
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