杉下右京の気になる言動 「目的は手段を正当化しない」編に続く、第2段。
右京だけではありませんが、ちょくちょく「立派」という言葉が出てきます。
「まぎれもなく」という意味で使われているのですが、これをネガティブものに使うのは、個人的にはどうにも違和感があります。
だからといって他の人が使ってもとやかく言ったりはしませんが(ブログでは突っ込み入れたりしてますけど)、右京以外の発言も含めて、また「立派」とは少し違うものも合わせ、相棒で出てきたものをまとめてみます。
回 | 発言者 | 内容 | 脚本 |
---|---|---|---|
相棒1 第5話 「目撃者」 | 小野田 | これも立派な軽犯罪 | |
相棒2 第2話「特命係復活」 | 三浦 | 住居侵入、立派な犯罪 | |
相棒2 第2話「特命係復活」 | 右京 | 立派な住居侵入 | |
相棒2 第10話 「殺意あり」 | 右京 | 立派な刑事事件 | |
相棒2 第10話 「殺意あり」 | 亀山 | 立派な殺人 | |
相棒2 第18話 「ピルイーター」 | 伊丹 | 立派な殺人事件 | |
相棒2 第21話 「私刑」 | 右京 | 立派な殺意 | |
相棒3 第17話「書き直す女」 | 亀山 | 立派な正当防衛 | |
相棒4 第8話「監禁」 | 亀山 | 立派な拉致監禁 | |
相棒4 第9話「冤罪」 | 亀山 | 立派な殺人教唆 | |
相棒4 第9話「冤罪」 | 右京 | 立派な凶器 | |
相棒4 第21話「桜田門内の変」 | 右京 | 立派に人1人を殺しています | |
相棒5 第1話 「杉下右京 最初の事件」 | 宗家房一郎 | れっきとした殺人事件 | 輿水泰弘 |
相棒5 第10話「名探偵登場」 | 右京 | れっきとした犯罪 | 戸田山雅司 |
相棒5 第10話「名探偵登場」 | 亀山 | れっきとした傷害事件 | 戸田山雅司 |
相棒6 第12話「狙われた女」 | 春麗 | 立派な凶悪犯 | 古沢良太 |
相棒6 第16話「悪女の証明」 | 中園 | れっきとしたアリバイ | 戸田山雅司 |
相棒7 第6話「希望の終盤」 | 右京 | 立派な公務執行妨害 | 櫻井武晴 |
相棒8 第3話「ミス・グリーンの秘密」 | 右京 | 立派な窃盗罪 | 太田愛 |
相棒8 第19話 「神の憂鬱」 | 右京 | れっきとした記憶媒体 | 櫻井武晴 |
相棒9 第1話「顔のない男」 | 右京 | 立派な犯罪 | 戸田山雅司 |
相棒10 第5話「消えた女」 | 神戸 | 立派な犯罪 | 戸田山雅司 |
相棒10 第5話「消えた女」 | 右京 | まごうかたなき犯罪 | 戸田山雅司 |
相棒10 第14話「悪友」 | 神戸 | 立派な犯罪 | 徳永富彦 |
相棒12 第5話「エントリーシート」 | 右京 | 立派な暴行罪 | 金井寛 |
相棒13 第3話「許されざる者」 | 伊丹 | 立派な殺人 | 金井寛 |
相棒13 第16話 「鮎川教授最後の授業・解決篇」 |
右京 | 立派な殺人 | 輿水泰弘 |
相棒14 第2話「或る相棒の死」 | 右京 | 立派な傷害事件 | 真野勝成 |
相棒14 第3話「死に神」 | 芹沢 | 立派な犯罪 | 金井寛 |
相棒14 第9話「秘密の家」 | 右京 | 犯罪まがいの誘拐 | 金井寛 |
相棒14 第20話「ラストケース」 | 金井塚 | (自分のしたのだって)立派なテロ | 輿水泰弘 |
相棒14 第20話「ラストケース」 | 右京 | 立派なテロなどこの世にはない | 輿水泰弘 |
相棒15 第1話「守護神」 | 伊丹 | 立派な犯罪 | 輿水泰弘 |
相棒16 第14話「いわんや悪人をや(後篇)」 | 右京 | 立派な犯罪 | 輿水泰弘 |
相棒18 第1話「アレスの進撃」 | 冠城 | 立派な監禁 | 輿水泰弘 |
相棒18 第20話 「ディープフェイク・エクスペリメント」 |
芹沢 | 立派な被疑者 | 輿水泰弘 |
相棒19 第7話 「同日同刻」 | 冠城 | 立派な犯罪 | 山本むつみ |
相棒19 第13話 「死神はまだか」 | 出雲 | れっきとしたハラスメント | 輿水泰弘 |
相棒19 第13話 「死神はまだか」 | 冠城 | 立派な窃盗 | 輿水泰弘 |
相棒20 第9話 「生まれ変わった男」 | 右京 | れっきとした犯罪 | 川﨑龍太 |
ここで目を引くのが、相棒14 第20話「ラストケース」でのやりとり。
犯人の金井塚が「(自分のしたのだって)立派なテロ」と言ったのに対して、右京は「立派なテロなどこの世にはない」とバッサリ。
「立派なテロ」(という表現)を認めないのはいいんだけど、右京は「立派な住居侵入」とか「立派に人1人を殺しています」とか「立派な公務執行妨害」とか、よく使っている。
それでも、「ラストケース」で「立派という言葉を犯罪行為には使わないようにしたのか」と思ったわけですが、相棒16 第14話「いわんや悪人をや(後篇)」では「立派な犯罪」と言った。
右京はただ金井塚の揚げ足取りでもしたかったのか。テロだけ特別で「立派なテロ」はないけど、「立派な殺人」はあると考えているのか。
ただの言葉遊び、ご都合主義。実体を伴わない右京の言葉には説得力を微塵も感じないし、響いてこない。
「目的が手段を正当化するとは思いません」と言われても何も感じないのと同様。
「立派なテロなどない」と「立派な犯罪」の両方を同じ人物に言わせる脚本家というのもね。
少なくとも、「立派なテロなどない」と言わせた以上は、それ以降は「立派な○○(犯罪行為)」というのを右京に言わせるべきではなかったと思います。
あと、「立派」とは逆で「犯罪まがいの誘拐」というのが相棒14 第9話「秘密の家」で出てきますが、「誘拐は犯罪ではない」ということですかね? ここは他にならって「立派な犯罪である誘拐」とでもすべきだったんじゃないかと思いますが。
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