小説家で医師だという知念実希人氏の発言。
疑問があるのでまとめてみます。
知念氏が触れたもの
イスラエルで感染が拡大しているのを「未接種の15歳以下でデルタ株の感染が広がっている」と説明
イスラエルで感染者が再び100人を超えましたが、
ワクチンが効かないウイルスが出現したというわけではなく
未接種の15歳以下でデルタ株の感染が広がっている状況です。やはりデルタ株の伝播性は極めて強く、子供の間でも急速に感染拡大するようです。
警戒が必要です。https://t.co/NzNXzvr3Od
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) June 23, 2021
イスラエルで感染者が再び100人を超えましたが、
ワクチンが効かないウイルスが出現したというわけではなく
未接種の15歳以下でデルタ株の感染が広がっている状況です。
また、イスラエル政府は新規感染者の半数を子どもが占めているとして、12歳から15歳の子どもへのワクチン接種を促すとともに、今後、屋内でのマスクの着用義務などを再び導入することも検討しています。
ツイートで紹介している記事には「新規感染者の半数を子どもが占めている」とあり、残り半分は大人であることがわかりますが、「未接種の15歳以下でデルタ株の感染が広がっている状況」と、まるで「未接種の子どもの間だけで感染が広がっている」かのように説明。
ファイザーの担当者がインタビューで「デルタ株にも90%の効果」と答えたという記事を紹介
極めて伝播力が高く、世界的に問題になり、日本でも蔓延し始めているデルタ株にも、
ファイザー製のmRNAワクチンは90%前後の極めて高い有効性を示すことが分かりました。接種を出来るだけ早く進め、感染拡大を防ぎたいです。https://t.co/7eRMEcnFfx
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) June 25, 2021
素晴らしいですね✨
ファイザー関係者「ファイザー製ワクチン、デルタ株に予防効果90%水準」https://t.co/dqCRCAMMha
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) June 27, 2021
よく論文がどうとか言っていますが、製薬会社の人間がインタビューで答えたというだけの記事を鵜呑みにした上、内容をよく読んでいないのか、ロイターの記事を少し詳しくしただけのような中央日報の記事も日を置いて紹介。
「イスラエルでの話の重要な訂正」というツイートをリツイート
これは大事だね!
イスラエルでの話の重要な訂正。イスラエルで感染した「成人」のうちの半数が2度ワクチン接種済という事で、全ケースの半分ではない。全ケースの約半分は子供で、全ケース中約25%が2度接種済だけれど、全員ではないにしてもほとんどが無症候性感染症であると報告されているとの事 https://t.co/1W1RE4hzhw— Toko Shiiki/椎木透子 (@tokophotoko) June 27, 2021
イスラエルで感染した「成人」のうちの半数が2度ワクチン接種済という事で、全ケースの半分ではない。
これは下に記載していますが、知念氏が触れなかった「新規感染者の半数近くがワクチン接種を受けた市民」というニュースの訂正を伝えたもの。
元のニュースはワクチンにとってネガティブな内容だから触れなかったのですかね? それとも、そのニュース自体知らなかったのでしょうか?
知念氏が触れなかった記事
「イスラエル、デルタ型に接触ならワクチン接種済みでも隔離対象に」という記事には触れず
イスラエルは23日、感染力の特に強い新型コロナウイルスのデルタ型変異株と接触したと判断される人を隔離する権限を保健当局者らに認めた。ワクチン接種が完了している人や新型コロナから回復した人も例外扱いしないという。
つまり「ワクチン接種が完了していても無視できない割合で感染する可能性がある」とイスラエルは認識しているということになるわけですが、この記事には触れず。
「新規感染者の半数近くがワクチン接種を受けた市民」という内容の記事には触れず
世界有数の速さで新型コロナウイルスワクチンを接種し感染者数を減少させたイスラエルで、感染が再拡大している。変異株が多くを占め、新規感染者の半数近くがワクチン接種を受けた市民。保健省は24日、撤廃した屋内でのマスク着用義務を27日から再開すると発表した。
「新規感染者の半数近くがワクチン接種を受けた市民」ということであればワクチンによる感染防止効果はデルタ株に関してはかなり低いと推定できますが、この記事には触れず。
(上で紹介していますが、「新規感染者の半数近くがワクチン接種を受けた市民」というのは間違いだったとのこと)
ワクチンの感染防止効果の推定
これは大事だね!
イスラエルでの話の重要な訂正。イスラエルで感染した「成人」のうちの半数が2度ワクチン接種済という事で、全ケースの半分ではない。全ケースの約半分は子供で、全ケース中約25%が2度接種済だけれど、全員ではないにしてもほとんどが無症候性感染症であると報告されているとの事 https://t.co/1W1RE4hzhw— Toko Shiiki/椎木透子 (@tokophotoko) June 27, 2021
「新規感染者の半分はワクチン未接種の子ども、残り半分は成人で、その半分はワクチン未接種、残りはワクチン接種済み」とのことで、ワクチンの感染防止効果を推定してみます。
まず「成人」の人口ですが、下記サイトより、イスラエルの総人口8519373人、年少人口(15歳未満)2375675人とのことで、ざっと615万人。
(イスラエルの「成人」は男性13歳、女性12歳のようですが、15歳以下(未満?)へのワクチン接種推奨は最近までしていなかったので、この数で計算します)
ワクチン接種済みの人数は515万人。
これが全て成人として、成人の接種率は83.7%。
この集団で感染者が接種済みと未接種でほぼ同数出たということは、感染の減少率をxとすると、
83.7 * x = 16.3
x = 0.1947
つまり、およそ80%感染を減少させたと推定できます。
(感染者をほぼ捕捉できている必要がありますが、「ほとんどが無症候性感染症」とあることから、ある程度捕捉できているものと考えます)
クラスターが発生していたり、接種率が平均とは離れた年齢層で感染が広がっていたりするとこの計算通りというわけにはいきませんが、それでもこういう計算をすると、「本当に予防効果90%なのか」という疑問が湧きます。それなのにそういう計算はせず、製薬会社側が「90%」と言えば「素晴らしいですね」と紹介。
そもそも「予防効果」というのも「感染を予防」するのか、「発症・重症化・死亡を予防」するのか、によって全然違うと思いますが。
<追記>ワクチンパスポートについて
もうさ、さすがにワクチンパスポートで隔離なしにしようよ。
ワクチン2回接種をしている自国民を入国させないのは、さすがに問題あると思います。
ワクチン接種証明で観光客を受け入れている国もたくさん出てきている中で、この対応は問題あると思います。 https://t.co/UBfLB05ROd
— 知念実希人 小説家・医師 (@MIKITO_777) June 12, 2021
ワクチン接種済みでもPCRやらないと駄目っぽい
ワクチン2回接種済み入国者もPCR検査での陽性率0.82%ほどとワクチンパスポートあっても水際作戦が死ぬ
むしろ陽性隔離破りを法的に対処する方法で苦労してるので入管法改正まで考えないといけないんじゃないか https://t.co/iwailwOUOR
— 山本一郎(Ichiro Yamamoto) (@Ichiro_leadoff) June 12, 2021
以前知念氏が「ワクチンパスポートで隔離なしにしよう」と書いたのに対し、「ワクチン2回接種済み入国者もPCR検査での陽性率0.82%ほどとワクチンパスポートあっても水際作戦が死ぬ」と指摘があったのに無視。
「イスラエル、デルタ型に接触ならワクチン接種済みでも隔離対象に」という記事を無視したのも、ワクチンパスポートが難しいという判断に傾くからですかね?
結論
知念氏は「(mRNA)ワクチンにポジティブな情報は積極的に紹介し、ネガティブな情報は取り上げない」という傾向があるように思います。
アンテナを張っていないのか、「お仲間」がポジティブな情報だけ教えてくれるのか、意図的にそのような取り上げ方をしているのか、ネガティブな情報は目に入らなくなっているのか。
知る由もありませんが、「報道しない自由」を行使しているマスコミと同じ印象を受けます。
とにかく、「偏向」はやめた方がいいのではないかと思います。
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