放送日:2021年12月8日
あらすじ
公式
解明困難な時効事件に挑む特命係
50年前の呪いが新たな悲劇を生む!?大学構内の地中から白骨死体が発見された。死後50年近くたっている時効事件のため、右京(水谷豊)と亘(反町隆史)が捜査を押しつけられる。DNA鑑定の結果、白骨は1970年代に学生運動をしていた岡田という過激派の幹部であると判明。当時の仲間によると、岡田はカリスマ指導者で、人心を操る天才だったという。そんな中、梶原(ベンガル)という物流大手社長の遺体が発見される。運転手によると、梶原は最近なぜか、情緒不安定になっていたというが…!? いっぽう右京と亘は、岡田と親交が深かった藤島(下條アトム)という男性を訪問するが、何も知らないと語る。ところが、そこに捜査一課が現れ、藤島に任意同行を求める。梶原の携帯に、事件当日、藤島を呼び出すメールが残っていたという。ふたつの事件に関連があると知った右京と亘は、藤島の連行にショックを受ける美鈴(白川和子)という女性を見掛け、話を聞くが…!?
半世紀前の事件と現代の殺人に共通点が
ふたつの事件にかかわる男性の正体は?
特命係が時を超えた“亡霊”の正体に迫る!ゲスト:下條アトム
ネタバレあり
- 大学構内で白骨死体が見つかり伊丹らが出動するが、殺人ではあるものの50年ほど経っていることから「メジャーリーガー」の伊丹は「気の済むまでとことんお調べください」と特命係に投げる。
- DNA鑑定の結果、白骨は岡田と判明。岡田は当時から敵対するセクトに命を狙われているとうわさされていたが右京は「当時の活動家は敵対するセクトの幹部を殺した場合犯行声明を出したものだがそれがないのはいささか不自然」と疑問に思う。
- 吉澤(岡田のいた組織の元幹部)に話を聞くと、「岡田は演説が上手で多くの学生を魅了した、内ゲバで殺されたと思うがそれ以外では女には恨まれていたかもしれない(無理やりやったことを自慢してたこともあった)、大学の同期に幼なじみの藤島という男がいて人形劇をしていた」という。また、吉澤は「今思えば2人には『藤島は認容を操り岡田は人間を操る』という共通点がある」と話す。
- 梶原(カジハラロジスティクス社長)の遺体が荒坂大橋の下で見つかる。運転手(田中健太)によると「人と会う」と言って橋のたもとで車を降りたというが、梶原はここ1週間ほど様子がおかしかったという。
- 右京と冠城が藤島に話を聞くが、岡田の死については知らないという。帰ろうとしたところに伊丹らが来て、藤島が梶原と連絡を取り合っていたことから話を聞くと、事件当夜梶原からメールで呼び出され、橋まで行ったことを認めたため任意同行。そこへ藤島と一緒に人形劇をしている美鈴が戻ってきて右京と冠城が話を聞くと、藤島が梶原を殺すはずないという。また、藤島、梶原、美鈴と一緒に美鈴の子(美鈴はシングルマザー)が写った写真があり話を向けるが詳しくは聞けず。
- 藤島は任意同行に応じたものの黙秘。梶原の様子がおかしくなったのは白骨死体が見つかった時期と一致することから「藤島と梶原が48年前に岡田を殺して岡田の骨が見つかったため社会的地位を確立している梶原は過去の罪が発覚することを恐れて精神的に追い詰められて藤島に相談した、藤島が殺したとは考えにくく黙秘は誰かをかばうため」と推理。
- 新島(梶原の秘書)に話を聞き、梶原は「あいつの亡霊に見える」と言っていたと確認。また、藤島は梶原からのメールで呼び出されたが梶原は普段メールを使っていなかったことも確認。
- 野添(48年前に藤島らと一緒に人形劇をしていた)に話を聞くと、「美鈴の子が2回刑務所に入って美鈴は縁を切ったが藤島と梶原は見捨てず、半年ほど前に美鈴の子を連れて店に来て梶原は雇うことに決めていた」という。
- 田中健太に「梶原がメールを使わないことを知らなかったんですね」と指摘すると逃げようとするが伊丹らが捕まえて連行。「心を入れ替えて真面目にやっていたがあの夜突然辞めろと言われた、橋のたもとで車を止めて見捨てるのかと聞いたら梶原が逃げたので追ったら首を絞められたので近くにあった石で殴った」と供述。
- 右京と冠城は藤島と美鈴に健太が梶原殺害容疑で逮捕されたことを告げ、「岡田を殺したのは梶原。梶原が電話で『あいつの亡霊に見える』と言っていたことから『岡田が健太の実の父親で岡田が無理やり行為に及んで梶原や藤島が知ったら』という仮定で説明できる」と推理をぶつけると美鈴は認め、「生まれてくる子に罪はない、3人で『健太の父親は藤島と梶原』と話し合ったのにどこまで苦しめれば気が済むのか」と涙を流す。
- 冠城は「今回の事件は岡田の亡霊が引き起こしたような気がする」と語り、右京は「藤島は人形を操り岡田は人間を操る」という吉澤の言葉を思い出す。
- 藤島と美鈴の奥に岡田の霊(?)が映る。
感想/気になる点など
- 藤島の名前(健司)と梶原の名前(太一)から一字ずつ取って「健太」という名前にしたのか。でも、「美鈴」は入れなくていいの? 名字があるからなしなの? まあ、3文字にすると、というか「美鈴」は入れにくいけど。
- 岡田の白骨が見つかるまでは梶原は健太が「亡霊」に見えなかったの? 48年間大丈夫だったのに白骨が見つかって急に「亡霊」に見えるようになったの? で、岡田の亡霊に見えたとして、「許してくれ」と言いつつ首を絞めるってどうなのよ。それが許しを請う態度なのか。
- 「同時に二兎は追えない」と右京は言うけど、「贈る言葉」は18日に事件発覚して数日は捜査しているのに、19日には今回の事件が起きて、「二兎を追っていた」のでは? 「マイルール」と「かわおとこ」でも捜査に取り掛かった日が1日違いだったけど。
- 「岡田が健太を操った」としたら、前科者にして仕事を梶原に頼るようにしたことぐらいだけど、梶原が健太を雇うにしても近くに置かなかったら今回のことは起きなかったのでは? 亡霊に見えるようになったのなら、辞めさせるのではなく異動というか配置転換だったら健太を遠ざけることができて今回のことは起きなかったかもしれないし。それでも健太は納得せず梶原を追い掛けて、という展開も考えられるけど。で、最後のシーンでも何か映ってたし「岡田の霊の仕業」ということでもいいけど、だったらなぜこれまで何も起きなかったのか。地中に埋まっていて力を発揮できなかった? だとして「解き放たれた」後は健太よりも梶原を操っていたのではないかとさえ思えるのだけど。と、いくら考えたところで意味ないか。
- カップラーメンが大きく映ったからまたマルちゃん(東洋水産)かと思ったら、該当商品はなさそう。と、検索してたら食べたくなってきた……。
キャスト
水谷豊:杉下右京
反町隆史:冠城亘
川原和久:伊丹憲一
山中崇史:芹沢慶二
山西惇:角田六郎
田中隆三:益子桑栄
篠原ゆき子:出雲麗音
下條アトム:藤島健司(人形劇団 糸使い)
白川和子:田中美鈴(人形劇団 糸使い)
ベンガル:梶原太一(カジハラロジスティクス 社長、藤島らと一緒に人形劇団を作ったが家業の運送屋を継ぐため辞めた)
石母田史朗:田中健太(カジハラロジスティクス 社長の運転手)
菅野久夫:吉澤秀介(革命主義青年同盟 元幹部)
まいど豊:新島敏夫(カジハラロジスティクス 社長秘書)
大川ひろし:野添弘道(喫茶マリオネット)
名村辰:岡田茂雄(文東大学経済学部 学生、革命主義青年同盟 幹部、48年前に行方不明になっていた)
丈太郎:藤島健司(48年前)
宮森右京:梶原太一(48年前)
村山朋果:田中美鈴(48年前)
松本采子:カジハラロジスティクス 社員(梶原の葬儀に参加)
渡辺賢一:野添弘道(48年前)
主な複数回出演者
- 下條アトムは苫篠武役で相棒2 第4話 「消える銃弾」、前園桔平(霧谷村 助役)役で相棒14 第18話 「神隠しの山」、第19話 「神隠しの山の始末」に出演。
- ベンガルは茂手木進(錦貴文の担当弁護士)役で相棒6 第19話 「黙示録」に出演。
- 石母田史朗は秋山孝之(三村奈津子の恋人)役で相棒7 第16話 「髪を切られた女」に出演。
- 菅野久夫はホームレス役で相棒2 第21話 「私刑」、笹本悦治(共同墓地の被害者)役で相棒15 第6話 「嘘吐き」に出演。
- まいど豊は山口(所轄の刑事)役で相棒10 第6話 「ラスト・ソング」、大久保弘明(岩倉の弁護士)役で相棒13 第5話 「最期の告白」に出演。
- 大川ひろしは福間知義(航空幕僚副長)役で相棒9 第2話 「顔のない男~贖罪」、鈴木役で相棒15 第2話 「チェイン」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
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文東大学(白骨の見つかった大学) | 佐野日本大学短期大学[HP][地図] |
梶原を乗せた車が通った道 | 都庁通り[地図] |
藤島と美鈴が人形劇をした幼稚園 | みその幼稚園[HP] |
人形劇団 糸使い | 人形劇団ポポロ[HP][地図] |
梶原の遺体が見つかった場所 | 舟渡水辺公園[HP][地図] |
荒坂大橋 | 舟渡大橋[地図] |
梶原の葬儀の会場 | 妙福寺 本應院[HP][地図] |
喫茶マリオネット | レストランファニー(蓮根)[HP][地図] |
文東大学 人形劇団の倉庫(岡田が殺された場所) | 東映東京撮影所 照明倉庫[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
佐野日本大学短期大学[HP]:文東大学(白骨の見つかった大学)
都庁通り:梶原を乗せた車が通った道
みその幼稚園[HP]:藤島と美鈴が人形劇をした幼稚園
人形劇団ポポロ[HP]:人形劇団 糸使い
舟渡水辺公園[HP]:梶原の遺体が見つかった場所
舟渡大橋:荒坂大橋
妙福寺(本應院)[HP]:梶原の葬儀の会場
ファニー(蓮根)[HP]:喫茶マリオネット
東映東京撮影所[当ブログの記事]:文東大学 人形劇団の倉庫(岡田が殺された場所)
コメント
>岡田の白骨が見つかるまでは梶原は健太が「亡霊」に見えなかったの? 48年間大丈夫だったのに白骨が見つかって急に「亡霊」に見えるようになったの? で、岡田の亡霊に見えたとして、「許してくれ」と言いつつ首を絞めるってどうなのよ。それが許しを請う態度なのか。
たぶんそれまでは「岡田の子」ではなく「美鈴の子」だと割り切って接してたんじゃないかと想像します。美鈴には好意を寄せていたようですので、カッとなって岡田を殺害もしたし、前科者の健太を内緒で雇ったり、手元に置いてあげたんじゃないでしょうか。
ところが白骨死体が発見されて、もし自分が岡田を殺したと発覚すれば、既に時効だとしても社会的に破滅する可能性もあり、今更のように罪の意識にも苛まれ、ノイローゼ状態に陥ったのでしょう。そのせいで短絡的に健太にクビを宣告したがために、本格的に健太が岡田の亡霊に見えてしまい錯乱。「許してくれ」とは言っていたものの、パニックになった梶原は無我夢中で健太の首を絞めて、逆に命を落としてしまった…こんなところでしょうか。
しかし後味の悪い事件でした。美鈴の「どこまで苦しめれば気が済むのよ」という慟哭は、全ての元凶である岡田に対するものか、不肖の息子・健太へのものか、それとも忘れたかった過去の古傷をわざわざ暴き出して塩を塗り込んだ右京へ向けたものだったのか……。
朝吉さん
説明されていないだけでそういう部分もあったかもしれませんが、それにしても「落差が激しい」という印象が否めず、いっそ「梶原は岡田にとりつかれた」と考えた方がすっきりします。
後味は悪いですね。でも、相棒はそういうものなので……
「どこまで苦しめれば」というのは「これまで散々苦しめて、その上」ということなので、さすがに右京に対しての言葉ではないと思いますが、岡田半分、健太半分とか、入り交じっているのかなと思います。
「メジャーリーガー」「二兎を追う」
右京と亘は大谷翔平だということですね
匿名掛かりさん
コメントありがとうございます。
なるほど。あのやりとりにはそういう意味が込められていた(のかもしれない)んですね。
まったく思い付きもしませんでした……
相棒20 第8話 「操り人形」の中で、ギターの挿入曲が何という曲だったのか気になっているのですが、どなたかご存じありませんか?
匿名 爺さん
コメントありがとうございます。
回想シーンで「音楽かけるね」と言ってラジカセのスイッチを入れたら流れ始めた音楽ですかね?
それでしたら、字幕では「大聖堂」となっています。