放送日:2003年12月10日
あらすじ(ネタバレあり)
公式
ある夜、薫(寺脇康文)は子供を脇に自動販売機の前で這いつくばっている男を見つける。まさか自販機荒らしか!?薫がその男から事情を聞くと、息子がジュースを買おうとしてお金を自販機の下に落としただけだという。それなら、と一緒に自販機を持ち上げると、下からは単なる硬貨ではなく金貨が。意外な展開に驚く薫をよそに、男は「あった!」と金貨を掴むとすばやく走り去っていってしまった…。
薫はなんとか走り去った男・小田島(入江雅人)を捕まえ、息子の雅彦(須賀健太)とともに近くの交番へと連れて行き、事情聴取をする。「自分のコレクションだ」と繰り返す小田島をよそに、薫は自分のカメラ付き携帯電話で金貨の写真を撮り、右京(水谷豊)の携帯電話に送信。その価値を見てもらう。すると、その金貨が市場では約2000万円で取り引きされている明治時代の旧20円金貨であることが判明。さらに近くでコインコレクターの倉野(大木史朗)が殺害されるという事件もあったらしい。もしかすると小田島が倉野を殺し奪ったのかもしれない…。右京から指摘された薫は小田島を拘束しようとするが、電話をしている間に小田島は雅彦を置き去りに逃げてしまう…。
犯行現場を調べると、「刀幣」という中国の戦国時代に作られたもの以外は、犯人がコインなどほぼ全部のコレクションを奪っていっていることが判明。コインが傷つくこともいとわず、ショーケースを叩き割っていることから犯人はコインにあまり詳しくないのかもしれない…。一方、小田島の部屋からは倉野のコレクションが大量に発見された。リストラされた後、妻にも逃げられた小田島は家賃も滞納。エアコン取り付けのアルバイトで訪ねたことがある倉野の屋敷を狙ったらしい。すると、そのとき雅彦のPHSに小田島から電話が入る。小田島はコレクションを盗んだことは認めたものの、倉野の殺害については容疑を否認する。そしてそのまま電話を切ってしまう。結局、薫は残された雅彦を預かることになる…。
翌日、右京は貨幣博物館館長・松金彰子(田島令子)を訪ねる。世界コイン・コンベンションのため、倉野にも希少コインの出品を頼んでいたという松金。右京の質問に刀幣の価値は1~2万円とそれほど高くはない、と答える。とすると、犯人は刀幣の価値が低いことを知っていてあえて現場に残していったのではないだろうか?もしかして犯人は古銭に詳しい者なのでは…!?
雅彦を連れて聞き込みに行っていた薫は、リストラされる同僚のために自ら退職したり、連れ子の雅彦をかわいがったりという小田島の素顔に触れ、小田島には人殺しなどできないのでは、と思うようになる。また倉野と取引のあった古銭商の田淵(岡崎二朗)という男が盗品を扱っている可能性もあり、事件当日のアリバイもなく怪しいが、確証はない。そしてその田淵が旧20円金貨など扱ったことがない、と証言したことから、倉野の持っていた旧20円金貨が盗難品だった可能性も出てきた。右京らは本物か否か調べるため、現在日本にある全ての旧20円金貨について調べるが、すべて本物であることが判明。ということは、小田島が持って逃げた金貨が偽物だったのだろうか…。
雅彦を心配した小田島がまたも電話をかけてきた。右京から奪った旧20円金貨がどこにあったのか質問された小田島は「テーブルの上に…」と証言する。ということは、倉野は金貨をはさんで何者かと商談しているときに殺されたということなのだろうか?しかしまたしても小田島はすぐ電話を切ってしまう…。残された雅彦は薫とともに薫の家に帰るが、さすがに父親がいなくて寂しいのか、途中で泣き出してしまう…。
古銭商の田淵は以前、裏のマーケットを仕切っていたということがわかりますます怪しくなるが、なぜか右京は渋い顔…。同時に捜査一課は小田島の指名手配書を作成しようとしていたが、右京はその作業を止めさせる。そしてあらためて貨幣博物館館長の松金彰子を訪ね、金貨を持って逃走中の犯人が接触してきたら、連絡をほしいと伝える。
そんな折、小田島がまた雅彦の携帯電話に電話してくる。相変わらず雅彦を引き取りに来る気配はなかったが、なにやら右京は小田島にあることを相談する…。そして小田島は松金に珍しい金貨を持っているので取引きしてほしいと電話し、公園で会う約束を取り付ける。松金は約束通りに公園にやってきて、小田島と接触する。するとすぐさま待ち伏せしていた右京らに取り囲まれるが、松金は小田島が犯人だから捕まえてほしいと言い出す。しかしなぜ指名手配もされていない小田島を犯人だと決め付けられるのか?殺人現場で小田島を目撃していない限りわからないはず。観念した松金は殺人を自供する…。
子供を留学させるために多額の費用が必要となった松金は博物館で展示している旧20円金貨を偽物とすり替え、倉野に売り渡す。だが世界コイン・コンベンションが近づき、偽物を展示しておくわけにはいかなくなった松金は倉野に展示期間中だけでも良いからコインを返してほしいと頼む。それを拒んだ倉野と言い合いになった松金はナイフで倉野を脅し、金貨を取り戻そうとするが、勢い余って殺害してしまったようだ…。せっかく掴んだ留学のチャンスをフイにしたくなかった、松金はそう言うが、右京は人の命を奪ってまで伸ばすべき才能なんてない、と諭す。
殺人の容疑が晴れた小田島は警視庁に出頭し、ようやく雅彦と再開する。しかし窃盗の容疑で結局逮捕されてしまう。小田島は雅彦の安否を心配するが、そんな心配をよそに雅彦は小田島の釈放をいつまでも待っていると言う。そんな言葉に感動した小田島は涙ながらに連行される…。本当の子供じゃなくても、たった一人の家族―――。薫が小田島に言い放ったそんな言葉が胸に響く。(つづく)
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:奥寺美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
川原和久:伊丹憲一
大谷亮介:三浦信輔
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
片桐竜次:内村完爾
小野了:中園照生
田島令子:松金彰子(貨幣博物館館長)
入江雅人:小田島和也
岡崎二朗:田淵俊夫(古銭商)
六角慎司:西肇(捜査二課刑事)
須賀健太:小田島雅彦(和也の子)
大木史朗:倉野善次郎(コインコレクター)
飯田邦博:小田島が通った食堂の店主
川屋せっちん:小田島の元同僚
井上博一:小田島の部屋の大家
堀文明:富ヶ谷交番の巡査?
姫子松まろ:水商売の女(小田島まゆみの知り合い)
志水正義:大木長十郎
諏訪部仁:貨幣商協会 鑑定委員会職員
関つばさ:松金の息子
久保田龍吉:小松真琴
津田尊成:
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
---|---|
現場に向かうパトカーが通った道 | 都庁通り |
あすか銀行付属 貨幣博物館(内部) | 山梨中銀 金融資料館[HP] |
亀山と雅彦が歩いた道 | 目白通り(西武プロセス近く)[地図] |
小田島まゆみ(雅彦の母親)の知り合いの住んでいるマンション | プラネアール 東大泉4Fスタジオ(403)[HP]<プラネアール東大泉スタジオ> |
田淵商会 | ワールドコインズ・ジャパン |
田淵商会を出た後に歩いた場所 | 浜松町1丁目の道(ワールドコインズ・ジャパン前の道)[地図] |
貨幣商協会 鑑定委員会の部屋 | 東映東京撮影所 本館 1階 守衛所側の奥の部屋[地図] |
小田島和也が雅彦に電話してきた歩道橋 | 新都心歩道橋[地図] |
松金彰子の息子がバイオリンの練習をしていた公園 | 石神井公園 野外ステージ[地図] |
警視庁 医務室 | 東映東京撮影所 本館 3階の部屋[地図] |
警視庁 廊下 | 川崎マリエン 交流棟の廊下[HP] |
芝公園(松金彰子が逮捕された公園) | 芝公園[地図] |
警視庁 小田島和也と話をした部屋 | 川崎マリエン 第3会議室[HP] |
警視庁 刑事部長室 | 川崎マリエン 第4会議室[HP] |
<撮影場所ごとのまとめ>
都庁通り:現場に向かうパトカーが通った道
山梨中銀 金融資料館[HP]:あすか銀行付属 貨幣博物館(内部)
目白通り(西武プロセス近く):亀山と雅彦が歩いた道
プラネアール 東大泉4Fスタジオ[HP]<プラネアール東大泉スタジオ>:小田島まゆみ(雅彦の母親)の知り合いの住んでいるマンション
ワールドコインズ・ジャパン:田淵商会
浜松町1丁目の道(ワールドコインズ・ジャパン前の道):田淵商会を出た後に歩いた場所
東映東京撮影所[当ブログの記事]:貨幣商協会 鑑定委員会の部屋、警視庁 医務室、貨幣博物館 館長室
新都心歩道橋:小田島和也が雅彦に電話してきた歩道橋
石神井公園:松金彰子の息子がバイオリンの練習をしていた公園
川崎マリエン[HP][当ブログの記事]:警視庁(小田島和也と話をした部屋、刑事部長室、廊下)
芝公園:芝公園(松金彰子が逮捕された公園)
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