放送日:2005年1月12日
あらすじ
公式
女流作家の夫の自殺に不審な点が!?
右京と薫は作家と女性編集者の関係に疑いを抱き…。ある日、右京(水谷豊)はふと立ち寄った書店で女性から広い支持を集めている女流作家・沢村映子(筒井真理子)のサイン会に巻き込まれてしまう。丁寧に説明したはずなのに、名前を右京ではなく左京と書かれてしまう。小さく溜息をついていると、映子の担当らしい編集者が何やら話している声が聞こえてくる。
「先生、今日は輝いているわねえ」。
「スポットライトが好きな人だから」。
輝いている、と言った女性に対し、男性の言葉はどこかトゲがあるように聞こえたが…。
映子の夫・三原健夫(西ノ園達大)が自殺した。新聞記事を見た右京は健夫がサイン会のときにいた男性だと確認。しかも、そのサイン会で買った本「愛の果て」は恋人に自殺された女性を描いたものだ。2日後、とある女性誌に映子の手記が掲載された。右京は健夫の遺書にあった「出逢う」という言葉に目を留める。映子の小説では「出合う」が使われているが、健夫の遺書、そして映子の著書で「第三の女」だけが「出逢う」を使っている。その「第三の女」はまるで違う人物が書いたのでは、と思わせるほど、他の作品に比べ魅力がない。さらに本来なら「召し上がって」と使うはずの敬語も「いただいて」と間違っている。この一致は何を意味するのか…。
右京は薫(寺脇康文)を伴い、再びファンを装って映子に接近する。そこで右京は思い切って「第三の女」は健夫さんが書いたのでは?と映子に聞く。映子の担当編集者でサイン会のときに健夫と一緒にいた育恵(春木みさよ)はカンカン。映子も軽くあしらいつつ否定するが、右京らにケーキをすすめるとき、「遠慮なくいただいて」という言葉を使う。
映子が「第三の女」に見られた文法的な間違いを犯した。ということは、「第三の女」を書いたのが映子だったのではないか。右京らは映子のデビュー前の作品を調べ、その中で「出逢う」という言葉が使われていることをつかむ。デビュー前の作品は映子が書いたことは間違いない。映子が書いたのは「第三の女」だけで、それ以外はゴーストライターが書いたのではないか。さらに遺書も映子が…。だとしたら、偽装自殺ということになるが。右京らは出版社の高木社長(片岡弘貢)から、映子が健夫を見初めて結婚したことを知らされる。ここでも右京は「第三の女」以外はゴーストライターが書いたのでは、とぶつけてみるが、高木は強硬に否定。逆タマに乗った健夫がそんなことをする必要がない、という。また、育恵は映子のデビューから担当編集者として仕事をしてきたが、なぜか「第三の女」のときだけ、映子の指名で健夫が担当になったという。
右京と薫は今度は刑事として映子と接触。アリバイを聞くなど映子を追いつめるような質問をするが、駆けつけた育恵が懸命に映子を守る。そんな2人の胸には同じようなネックレスが…。
数日後、右京と薫は書店で映子の本を並べる育恵を訪ね、ゴーストライターが育恵だとズバリ言い切る。否定しようとする育恵だったが、右京に畳み掛けられついには降参。9年前、まだアルバイトだった育恵は高木社長に才能を見出され、見た目のいい映子と組んで小説を書くよう勧められたという。が、処女作の途中からすべてが育恵の文章になり、以降、育恵がゴーストをやるようになったらしい。はた目には不幸な育恵だが、本人は自分の言葉が出版されるだけで幸せだという。薫が健夫の遺書も育恵が書いたのでは、と疑問を持ち始めた。だとしたら、「出合う」と書いている育恵が「出逢う」を使うはずがない。が、右京はそのトリックをあっさりと見抜いた。育恵が映子を奪った健夫を殺し、遺書を書いたと推理するが…。
ネタバレあり
- 三原(作家沢村映子の夫)が転落死。遺書もあったため自殺とされるが、「であう」(一般的に「出会う」と書かれる)が映子の小説では基本的に「出合う」が使われているのに遺書と「第三の女」(最新刊の一つ前のもの)だけは「出逢う」となっていたり、「第三の女」だけは敬語もおかしく別人が書いたのではないかと思うほどレベルが違うことから疑問を抱く。
- 右京と亀山は映子と肥田(担当の編集者)に接触。「第三の女」はあまりに作品的価値が低く映子の作品と思えないが三原が書いたのではないか、他の作品と決定的に違うのは表記で「第三の女」だけ三原の遺書と同じ表記をしていたことから三原がゴーストライターとなって書いたのではないかと指摘するが否定される。しかし、作品中での敬語の誤りを映子もしていたため、デビュー前の作品も調べると「出逢う」が使われており、「第三の女」は映子が書いたもので他の作品はゴーストが書いたと推理。
- 社長に話を聞くと、デビューからずっと担当は肥田だったが「第三の女」だけ三原が担当したというが、ゴーストライターがいることは否定。
- 「本当のことを言ってくれないと亀山は口外してしまうかも」と脅すと肥田は「第三の女」以外の作品のゴーストライターであることを認める。
- 映子が右京と亀山を呼び出し、「買った覚えがないワインがある、肥田じゃないか、彼女はこの部屋の合鍵を持っているから留守中に持ち込むことも可能」とワインを渡す。調べると、映子の言った店で三原が死んだ当日に肥田が買っていたことが判明。
- 肥田も映子の部屋に呼び、右京が「三原が死んだ夜にあなたはこのワインを持ってここに来てますね?」と聞く。映子が「これが私たちのため」と言うと、肥田は「私が殺して遺書を書いた、計画的に殺した」と犯行を認める。すると右京は「これでは立証できない、このワインが問題、例えば一緒にワインを飲もうと買ってきたが映子はおらず合鍵で部屋に入ってワインを置き、その後三原の死体を発見した」と指摘。さらに肥田が映子からもらったジャケットのボタンが二つなくなっていて両方付け直したと言っていたが裏を見ると一つしか付け直しておらず、「一つは三原が死んだ夜にここで見つけたのではないか、だとしたら事件当夜映子がここにいた可能性があることになる」と指摘。それでも肥田は自分がやったと言うが、亀山が「あなたがかばおうとしているこの人はあなたを売った、それでもゴーストを続けるのか」と言うと肥田は「三原は死んでいて遺書は自分が書いた、三原が映子のジャケットのボタンを握っており誰が殺したかわかった」と正直に語る。映子は「離婚なんてメリットがない、いったん男に愛想を尽かしたら後はどう料理できるかしか考えられない」と動機を説明。
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:奥寺美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
筒井真理子:沢村映子(小説家)
春木みさよ:肥田育恵(編集)
片岡弘貴:高木勉(出版社社長)
西ノ園達大:三原健夫(沢村映子の夫)
中村文平:
志水正義:大木長十郎
内藤トモヤ:沢村映子のサイン会のスタッフ
久保田龍吉:小松真琴
藤崎桐子:
荒井眞理子:
柿丸美智恵:
上下宜之(上下宣之):
主な複数回出演者
- 西ノ園達大は所轄の刑事役で相棒1 第5話「目撃者」に出演。
- 内藤トモヤは運転免許試験場の係長役で相棒2 第1話「ロンドンからの帰還~ベラドンナの赤い罠」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
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沢村映子がサイン会を行った書店 | 三省堂書店 神田本店 |
沢村映子が記者に囲まれた場所 | 東京都現代美術館[HP] |
未明出版 | 辰巳出版(新宿)[地図] |
肥田育恵が原稿を書くのに使っていた店 | ピエトロ・コルテ大泉学園店<オズスタジオシティ> |
肥田育恵に話を聞いた店 | 喫茶店バンフ[ロケ地情報][地図] |
リュミエール飛鳥台(沢村映子が住んでいるマンション)入り口、三原が倒れていた場所 | 横浜市のマンション0310 |
最後のシーンの場所 | テレビ朝日前[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
三省堂書店 神田本店:沢村映子がサイン会を行った書店
東京都現代美術館[HP]:沢村映子が記者に囲まれた場所
辰巳出版:未明出版
ピエトロ・コルテ大泉学園店[当ブログの記事]<オズスタジオシティ>:肥田育恵が原稿を書くのに使っていた店
喫茶店バンフ[ロケ地情報]:肥田育恵に話を聞いた店
横浜市のマンション0310:リュミエール飛鳥台(沢村映子が住んでいるマンション)入り口、三原が倒れていた場所
テレビ朝日(前):最後のシーンの場所
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