放送日:2006年12月6日
あらすじ(ネタバレあり)
公式
街金の社長・石場(柄沢次郎)が殺害された。後頭部の傷から赤レンガの粉が発見されたことから、右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は石場と付き合いがあったワイン評論家・藤巻(佐野史郎)の店へ。そのレンガ造りのワインセラーには高級ワインがズラリと並んでいる。店は大赤字と自嘲気味に笑う藤巻。どうやら購入資金を街金の石場から借りた可能性が高い。街金の社員の話では、生前石場は藤巻と仲が良かったらしいが、ワインの選択で藤巻が石場を馬鹿にすることがあったという。以来、2人は疎遠になったらしいが、それでも石場は裏帳簿まで作り藤巻に金を貸していた可能性がある。さらにカレンダーに残されたメモによると、月に1回は藤巻の店を訪れていた。いったい、なぜ…?
藤巻は担保不足を理由に石場に融資を断られていた。が、ワインの購入資金の出所は明らかにしようとしない。ふと藤巻のエチケット(ワインのラベル)のコレクションに目を留める右京。事件当夜、藤巻は妻とワインを飲んだらしいが、どのエチケットでしょう?と質問を。しかし、藤巻はコレクションするほどの高級ワインではなかったという。
そんな藤巻はかつて駆け出しのソムリエだったころ、ワイン評論家の安藤(立川三貴)らからロマネ・コンティと偽り安いワインを飲まされ、馬鹿にされたことがあったという。おかげで店を辞めた藤巻はソムリエの道をあきらめ、ワイン評論家になったらしい。有名になった今でもその当時の悔しさは忘れないとか。
藤巻が事件当夜に飲んだワインが高級な86年のパルトネールとわかった。そんな高級なワインのエチケットをなぜコレクションしなかったのか?右京の質問に藤巻は「酔って思わず捨ててしまった」と答える。右京と薫は藤巻の妻からワインを飲むときに、ワインをデキャンタージュしなかったことを確認。さらに藤巻のワインセラーに87年のパルトネールがあることも確認する。ということは藤巻が飲んだのは、87年ものよりはるかに高価な86年もの…。だとしたら…。
右京と薫はある確信をつかむと、招待された藤巻のワインの試飲会に出席する。しかも、かつて藤巻に屈辱を与えた評論家・安藤たちを連れて…。驚がくする藤巻は、ロマネ・コンティの一件を話すが、評論家たちはすっかり忘れている。驚きと怒りで言葉も出ない藤巻。そんな中、ささやかなワインの宴が始まった…。席上、右京が費用を出すということで店にあった87年のパルトネールが振舞われることに。「86年に比べるともうひとつだねえ」という安藤らに、突如藤巻が奇妙な笑い声をあげた。
実は安藤らが飲んだのは86年のパルトネールだった。87年のエチケットがついていたのは、藤巻が石場を殴り殺したときについた血痕を隠すため、エチケットだけ張り替えたから。ということは、86年ものと言って藤巻が自宅で飲んだワインが87年もの。86年のパルトネールなら飲むときにデキャンタージュするはずが、藤巻がビンから直接ワインを注いだと聞いた右京がからくりを見抜いたのだった。
動機は自分を馬鹿にしたことを恨んでいた石場が、高額な借金の返済を迫り、藤巻の大切なワインを奪おうとしたため。藤巻は86年のパルトネールを味わいながらつぶやいた。
「なんて美味しいんだ。…本当に美味しい。それでいい、本当はそれでよかったんだ」。ゲスト:佐野史郎 柄沢次郎 秋山エリサ
感想/気になる点など
- 「借りた額:5000万円、利息:月1割5分」と、法外なのは置いといて、毎月の金利が525万円。1割5分って15%でしょ? 10.5%じゃないよね? どうして525万円になっちゃうの?
- 鑑識での右京、亀山、米沢の会話。
米:被害者は石場大善。現場のすぐ近くの金融会社、いわゆる街金の社長です。死亡推定時刻は今日の午前0時から2時の間です。
右:(写真を手に取り)この傷に生活反応は?
米:ありました。
亀:じゃ、殺される前に付いた傷?
右:これだけの深い傷です。そのまま放っておくはずがありません。しかし、放っておかざるをえなかった。
亀:じゃ、殺された時に付いた傷?
右:そうでしょうねぇ。(証拠品を手に取り)ちなみに、こちらは?
米:あ・・・ちょっと。(写真を手に取り)後頭部です。致命傷に付着してました。科捜研で調べた結果、赤レンガでした。
右:では、凶器はレンガ?
米:ええ。どこかで殴り殺され、運ばれた仏です。
右:つまり、殺害現場にはレンガがある。
このやり取りから得られる情報で、どうして「レンガが凶器」から「殺害現場にはレンガがある」になるの? その「つまり」にある飛躍は何? 殺害に使われた凶器が現場にあるとは限らないのに、どうして「つまり」でつながっちゃうわけ? 理解不能。
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:亀山美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
川原和久:伊丹憲一
大谷亮介:三浦信輔
山中崇史(山中たかシ):芹沢慶二
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
佐野史郎:藤巻譲(Langueオーナー、ワイン評論家)
立川三貴:安藤久(ワイン評論家)
柄沢次郎:石場大善(ユースファイナンス(街金)社長)
松浦佐知子:藤巻多津子(譲の妻)
岩橋道子:高根沢ともみ(ユースファイナンス(街金)秘書)
秋山エリサ:関紀子(Langueソムリエール)
松本公成:嶋定好(ワイン評論家)
志水正義:大木長十郎
桜岡あつこ:若月(ワイン雑誌の記者)
久保田龍吉:小松真琴
佐々木征史:谷山(ワイン雑誌のカメラマン)
柳東史(柳東士):藤巻と石場が一緒に行った店のソムリエ
小林重夫:
ナガセケイ:藤巻と石場が一緒に行った店のギャルソン
細野好雄:
多田洋佑:
縣聖子:
田島英一:
三浦道郎:ワインの試飲会の客
山本隆仁:
美野このみ:
主な複数回出演者
- 松本公成は坂本(警視庁人事課長)役で相棒2 第18話「ピルイーター」に出演。
- 三浦道郎はオークションの客役で相棒4 第14話「アゲハ蝶」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
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石場大善の遺体が見つかった場所 | 津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパスの建物[地図] |
エースファイナンス | プラネアール 井荻オフィススタジオ[HP] |
ランゲ | マノワール・ディノ |
石場大善がシャブリでばかにされた店 | シンポジオン(後のメゾン ポール・ボキューズ)[HP] |
エースファイナンスを出て右京と亀山が歩いた道 | 公園通り(新宿)[地図] |
ランゲ近くの道 | 渋谷4丁目の道(マノワール・ディノ近くの道)[地図] |
藤巻譲が昔ソムリエとして働いていた店 | シンポジオン(後のメゾン ポール・ボキューズ)[HP] |
<撮影場所ごとのまとめ>
津田塾大学 千駄ヶ谷キャンパスの建物:石場大善の遺体が見つかった場所
プラネアール 井荻オフィススタジオ[HP]:エースファイナンス
マノワール・ディノ:ランゲ
SYMPOSION(シンポジオン、2007年からメゾン ポール・ボキューズ)[HP]:
公園通り(新宿):エースファイナンスを出て右京と亀山が歩いた道
渋谷4丁目の道(マノワール・ディノ近くの道):ランゲ近くの道
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