放送日:2007年1月1日
あらすじ(ネタバレあり)
大晦日。小野田(岸部一徳)に衆議院議員・富永(冨家規政)のパーティーに強引に連れていかれた右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、富永のボディガードをやらされる羽目に。都市化再開発計画の急進派・富永は左翼過激派の梶に命を狙われていた。会場では元刑事の楓(大塚寧々)が富永の身辺を警護。右京は楓が耳の不自由な娘はるか(佐々木麻緒)を連れてきていることから、楓が富永と婚約したことを察知する。
しかし、そんな楓の前に離婚した夫・和久井(遠藤章造)が現れた。はるかにプレゼントを渡したい、という和久井に帰れと冷たく突き放す楓。右京らはそんな小競り合いを偶然目にしてしまい…。
そのはるかが何者かに誘拐され、娘の命と引き換えに富永を殺せという指令が楓のもとに届いた。犯人(杉本哲太)は過激派の梶か?一人思い悩みながらも富永殺害を決断する楓。犯人の指示に従い、これまでつけていたインカムと携帯電話をトイレのタンクに入れ、拳銃を手にパーティー会場へと戻っていく。
午後8時。いよいよ富永が楓との婚約を発表する時間になった。が、肝心の楓の姿がパーティー会場から消えてしまった。仕方なくステージに上がった富永は自らのスピーチで時間をつなぐことに。そんな一部始終を見ていた右京と薫は、なぜか胸騒ぎを覚える。
やがて現れた楓は富永に紹介されステージへ。犯人は管理システムにネットでアクセス。楓の行動を逐一映像で管理している。富永に拳銃を向けようとした楓だったが、犯人の指示に従いスピーチを始める。
「夜が明けたから、目覚めるのではない…」。
右京の顔色が変わった。そのままステージに駆け上がると、楓が引き金を引くよりも一瞬早く富永を押し倒す。富永は一命を取り留めたが、失敗した楓はそのまま拳銃を持って逃走。パーティー会場のある超高層ビルは大パニックとなってしまう。薫は思わず声を荒げた。
「なんて大晦日だ」。犯人からパーティー会場に戻るよう指示された楓は、ウエイトレスの祥子(中村綾)を人質に会場へ。深夜0時までに富永を連れて来いと篭城する。管理官昇進を目指す大河内監察官(神保悟志)は、楓も左翼過激派の一味と断定。内村警視長(片桐竜次)から射殺許可をとってしまう。
が、楓がそんなことをするには何か理由があるはず。右京は必死に大河内を説得するが、昇進を狙う大河内は聞く耳を持たない。警視庁一のスナイパーの日野(寺島進)が楓に照準を合わせる中、右京と薫は2人だけで事件の真相を探ろうと行動を開始する。配電室に入った薫は主電源のスイッチを落とし、ビル全体が真っ暗に。すかさず会場の外にいた右京は手話で楓と交信、犯人の手がかりがトイレのタンクに残されていることを知らされる。すべてを把握した右京ら警察は犯人の無線を傍受、音を米沢(六角精児)に解析してもらい、船の汽笛のような音を拾う。アジトは東京湾沿岸か?伊丹ら捜査一課の刑事を中心に、東京湾沿岸を探し回る。
米沢は人質になったはるかの映像から窓に映る犯人の顔を取り出すことに成功した。これが過激派の梶か…。角田(山西惇)ら組織犯罪対策班が検挙した麻薬密売容疑の男が、梶のグループの一員であることが判明した。どうやら麻薬は彼らの資金源となっているらしい。取調べでなんとか梶の居場所を聞き出すと、刑事らは梶のアジトの周囲を固め中を確認。警察では突入隊を編成、慎重に近づくと一気に部屋の中へ突入する。
「梶宗一郎を確保!」。
そしてはるかも無事保護に成功した。一気に盛り上がる大河内ら。
しかし、突入隊によって逮捕された男は過激派の梶に間違いはなかったが、今回楓を脅している犯人とは別人であることが判明した。ということは、楓を脅し富永の命を狙っている男はいったい…。右京と薫は例の写真を手に、捜査の網を広げようと活動を開始する。と、その矢先、偶然のその写真を見たホテルの警備員が男を知っているという。男はホテルの元警備員・五十嵐であることがわかった。2週間ほど前、磯部支配人(梨本謙次郎)の推薦で雇われたが、すぐにやめてしまったという。どうやら犯行の下準備のために潜り込んだらしい。磯部支配人によると、五十嵐の妹、今、楓の人質になっている祥子から頼まれて雇ったのだという。
右京らは富永を連れて楓と祥子の前へ。いよいよというその時、右京は五十嵐と祥子にすべてを告白するよう迫る。真相がすべてバレたことがわかると祥子は楓から拳銃を奪い、逆に楓を人質に。
五十嵐と祥子の妹・公子はかつて富永のもとで働いていたが、富永の子を身ごもるとあっさり捨てられ、富永は楓と婚約してしまったという。それでも子供を生みたいという公子は、富永らによって流産させられ、ショックを受けた公子は自殺。以来、五十嵐と祥子の兄妹は富永、楓らに復讐しようと誓っていたという。
祥子に脅され、ついに富永は逃亡。隙をついて襲い掛かった和久井によって祥子は逮捕されるが、もう時間がない。一歩遅くはるかがいた小屋は爆発してしまう。しかし、最後は五十嵐がはるかを連れて小屋から脱出。撃たれた和久井も無事が確認され、楓、和久井、はるかの親子3人は涙の再会を果たす。
まるで現代のバベルの塔のような超高層ビルを見上げた右京。楓親子に視線を移すと静かにつぶやいた。
「昔、世界の言語は一つだったそうです。人々は高い塔を作って住もうとしましたが、神の怒りに触れ、言葉を通じなくされました。お互いを理解できなかった人々は散り散りになったという話です。ところが今日、言葉をしゃべらない少女によって、バラバラだった人々の心があのように…」。
感想/気になる点など
- 急に停電になって、暗闇の中にいる楓の手話がどうして読み取れるの?
- 和久井拓郎(遠藤章造)はどうやってレストランの裏口に回れたのか? そっちには警官誰もいなかったの?
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:亀山美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
川原和久:伊丹憲一
大谷亮介:三浦信輔
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
神保悟志:大河内春樹
山中崇史(山中たかシ):芹沢慶二
片桐竜次:内村完爾
小野了:中園照生
岸部一徳:小野田公顕
大塚寧々:辰巳楓(ボディーガード、元神奈川県警巡査部長)
遠藤章造:和久井拓郎(楓の元夫)
冨家規政:富永洋介(衆議院議員)
梨本謙次郎:磯部(ホテルアマゾン レストラン支配人)
中村綾:五十嵐祥子
佐々木麻緒:辰巳はるか(楓の娘)
樋渡真司:丸山(富永の秘書)
反田孝幸:辻本(赤いカナリヤの資金調達係)
村上連:鈴木(ホテルアマゾン警備員)
古宮基成:山田(ホテルアマゾン警備員)
山中康司:幹事長
小倉馨:鈴木(ホテルアマゾン総支配人)
志水正義:大木長十郎
久保田龍吉:小松真琴
鳴海剛:SIT隊員
村澤寿彦:梶宗一郎(赤いカナリヤ、富永議員を狙っていた男)
大浦理美恵:レポーター
竹本和正:捜査員(大河内の部下?、楓の無線の周波数を捕える)
長友健太:捜査員(大河内の部下?、楓の無線でのやり取りを録音)
研丘光男:ホテルアマゾン警備員(警備室から警告のアナウンス)
荒木誠:所轄の刑事(梶宗一郎の家を確認)
小磯龍哉:
鷲津秀人:
大塚太心:所轄の刑事(梶宗一郎の家を確認)
森山貴文:
小島あやめ:梶史子(梶宗一郎の娘)
寺島進:日野警部補(スナイパー)
杉本哲太:五十嵐哲雄
主な複数回出演者
- 中村綾は小泉綾子役で相棒~警視庁ふたりだけの特命係に出演。
- 樋渡真司はバーのマスター役で相棒2 第14話「氷女」、刑事役で相棒4 第11話「汚れある悪戯」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
---|---|
ホテルアマゾン(屋上) | タイム24ビル[地図] |
警視庁 刑事部長室 | 川崎マリエン 第6会議室[HP] |
右京らがホテルアマゾンに向かう途中で通った道 | 東京都道443号線(光が丘駅付近)[地図] |
ホテルアマゾン(地下駐車場へのスロープ) | ホテルカデンツァ光が丘[HP] |
ホテルアマゾン(外観、入り口、1階) | タイム24ビル[地図] |
ホテルアマゾン(エレベーター) | ホテルカデンツァ光が丘 オフィス棟[HP][ロケ地情報] |
ホテルアマゾン(エレベーターからパーティー会場の入り口まで) | ホテルカデンツァ光が丘 オフィス棟 22階[HP] |
ホテルアマゾン(22階の厨房のような場所) | ホテルカデンツァ光が丘 オフィス棟 22階[HP] |
ホテルアマゾン(地下駐車場) | ホテルカデンツァ光が丘 地下駐車場[HP] |
五十嵐哲雄が車を止めて辰巳楓にメールを送った場所 | 青海2丁目の道(東京都立産業技術研究センター前) [地図] |
ホテルアマゾン(拳銃などが置いてあったトイレ) | (おそらく)東映東京撮影所 スタジオ21のトイレ |
警視庁 廊下 | 川崎マリエン 交流棟の廊下[HP] |
警視庁 捜査本部的な部屋 | 川崎マリエン 研修室[HP] |
ホテルアマゾン(前線本部) | 第一ホテル東京シーフォート[HP] |
ホテルアマゾン(富永洋介の控室的な部屋) | 第一ホテル東京シーフォート[HP] |
日野が狙撃するために乗った観覧車 | パレットタウン大観覧車 |
辰巳楓が辰巳はるかを連れていった救急病院 | 東映東京撮影所 本館[地図] |
梶宗一郎のアジト | 羽田第一水門[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
タイム24ビル:ホテルアマゾン(外観、入り口、1階、屋上)
川崎マリエン[HP][当ブログの記事]:警視庁(刑事部長室、廊下、捜査本部的な部屋)
東京都道443号線:右京らがホテルアマゾンに向かう途中で通った道
ホテルカデンツァ光が丘(オフィス棟、地下駐車場)[HP]:ホテルアマゾン(地下駐車場へのスロープ、エレベーター、22階、地下駐車場)
青海2丁目の道(東京都立産業技術研究センター前):五十嵐哲雄が車を止めて辰巳楓にメールを送った場所
(おそらく)東映東京撮影所 スタジオ21のトイレ[当ブログの記事]:ホテルアマゾン(拳銃などが置いてあったトイレ)
第一ホテル東京シーフォート[HP]:ホテルアマゾン(富永洋介の控室的な部屋、前線本部)
パレットタウン大観覧車:日野が狙撃するために乗った観覧車
東映東京撮影所[当ブログの記事]:救急病院
羽田第一水門[当ブログの記事]:梶宗一郎のアジト
コメント