放送日:2008年3月12日
あらすじ(ネタバレあり)
公式
右京(水谷豊)と薫(寺脇康文)は、調布のマンションでの殺人事件への捜査協力を求めるビラを手に入れる。が、調べてみたものの、警視庁のデータベースにそんな事件は存在しない。ビラを配っていた男性=中津留(山本亘)によると、娘の順子がマンションの自室でストーカーに殺害されたのだと言う。しかし、所轄署の熊沢刑事(上杉祥三)の判断は急性心不全による病死だった。それで警視庁のデータベースになかったらしい。
現場のマンションの部屋を調べた右京と薫は、タンスの下に隠れた円状のシミを発見する。さっそく鑑識に検査を依頼すると、青酸ソーダとオレンジジュースの成分が検出される。何者かがオレンジジュースに青酸ソーダを混入、順子に飲ませた可能性が高い。さらに部屋のドアから何者かの耳の紋=耳紋が発見された。どうやら犯人が耳をそばだて部屋の中をうかがっていたらしい。
右京と薫は内村(片桐竜次)から捜査を中止するよう命じられるが、薫は病で倒れた中津留に右京と2人で必ず犯人を捕まえると誓う。
犯人はどのようにして順子に青酸ソーダ入りのジュースを飲ませたのか。右京と薫は順子のバッグを手に1日の行動を辿る。彼女が日常利用していたバスに乗ると、右京はこっそりバッグの中のペットボトルを入れ替え、カギを抜き取る。つまり毒入りのジュースをバッグに入れ、抜き取ったカギで型を取り合鍵を作ることも可能なわけだ。
バスが城南大学の理工学部の前で停まることがわかった。そこなら実験用の青酸ソーダもある。薫は城南大学の学生がバスの中で順子に片思い、何かの理由で殺害にいたったのではないかと推理する。
右京らはバスを降りると、その大学の助手・三田村(西川忠志)に青酸ソーダの盗難、紛失などなかったか確認するが、しっかり管理ができているらしくそんな事実はないという。やはり学生を犯人とするには無理があるのか…。心臓を患っていた中津留が急死した。絶対安静という医師の指示を無視してビラを配り、順子のマンション前で倒れたらしい。そんな中津留の死に疑問を抱いた右京は解剖を依頼。さらに中津留がかつて勤めていた工場に出向いていた事実をつかむ。中津留が工場から青酸ソーダを盗み出し、どうやら自殺したらしい。つまり中津留は自らの死で自殺や他殺が病死で処理されることを証明したわけだった。そんな事実を突きつけられた熊沢だが、あくまでも順子は病死だと言い張る。
順子の不審死が東京23区内での出来事なら、遺体は解剖され正確な死因が特定できたはず。犯人はその事実を知っており、あえて調布市で順子を殺害したのでは?もしそうなら警察の判断ミスを予想していたことになる。さらに他にも同じような手口で何者かを殺害している可能性も…。右京らは毒殺の疑いがある過去の変死者を調べ直し、順子が死ぬ1ヶ月前に城南大学の教授が急性心不全で死亡していた事実をつかむ。
助手の三田村が実験で使用する量より2g多く青酸ソーダを入手していた事実をつかんだ右京と薫は、三田村に教授と順子殺害の自供を迫る。しかし、三田村は頑として否定。ドアの耳紋が自分と一致しても証拠にはならない、と言い張るが、右京らが指摘する前に「オレンジジュースに毒など入れない」と口走ってしまう。なぜ順子が飲んだジュースがオレンジとわかっていたのか?右京に指摘された三田村はすべてを自供する。
右京らから報告を受けた熊沢は、自殺する直前に中津留から手紙を受け取っていたことを明らかにする。
「あなたたちには、順子の声が聞こえませんか。焼かれて、真っ白い灰になった順子が、悔しい、悔しいと叫んでるのが聞こえませんか…」。
手紙につづられた中津留の悲痛な叫びに、右京と薫は改めて無念さをかみ締めるのだった。ゲスト:山本亘 上杉祥三
感想/気になる点など
- 順子の部屋は「当時のまま残してある」と言いつつ、カレンダーは3月になっている(死んだのは2007年11月14日)。というか、回想シーン(2007年11月)の時も3月。つまり、翌年の3月のカレンダー……。
- 最初に城南大学に行ったのが前のシーンの翌日ならば9日(日)ということになるけど、日曜にしては学生多すぎじゃない?
- 順子のことを知らないと言う三田村に対して亀山は「あれ? おかしいなぁ。あなた通勤の際、いつも彼女と同じバスを利用してたんですよね?」って言うけど、同じバスを利用してたなんてどこかで言ってた? 仮に言ってたとして、同じバスを利用してたからって知らないのはおかしいと言われる筋合いはないと思うけど。
- 「オレンジジュースに毒が入れられていた」というのが決め手になったけど、亀山が「順子は仕事のあと、決まった銘柄のジュースを買って帰るのが習慣だった」と言っているわけで、耳紋でストーカーであることを認めたのだから、ストーカーならその銘柄を知っててもおかしくはないのでは?
- 耳紋、4カ月以上も残っているものなの?
キャスト
水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:亀山美和子
高樹沙耶(益戸育江):宮部たまき
川原和久:伊丹憲一
大谷亮介:三浦信輔
山中崇史(山中たかシ):芹沢慶二
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
片桐竜次:内村完爾
小野了:中園照生
山本亘:中津留健吾(順子の父)
上杉祥三:熊沢武明(東調布署刑事)
西川忠志:三田村真司(城南大学理工学部)
直林真里奈:中津留順子(エステサロン勤務)
石山雄大:梅本(監察医)
野間洋子:中津留の近所の人
志水正義:大木長十郎
久保田龍吉:小松真琴
井原幹雄:中津留正一(健吾の兄)
伊藤延広:室戸繁(城南大学理工学部教授)
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
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東調布駅前(中津留健吾がビラを配っていた場所) | 大泉学園駅前[地図] |
ベルメゾン東調布(中津留順子の住んでいたマンション) | プラネアール 谷原マンション2Fスタジオ(205)[HP]<プラネアール谷原スタジオ> |
警視庁 刑事部長室 | 川崎マリエン 第6会議室[HP] |
警視庁 廊下 | 川崎マリエン 交流棟の廊下[HP] |
中津留健吾宅 | プラネアール 上北沢1スタジオ |
東調布総合病院(中津留健吾が入院した病院) | スタジオジニアス 池袋グリーンスタジオ[HP]<スタジオジニアス池袋> |
城南大学 理工学部(外観) | 浴風会[HP][地図] |
東調布署(外観) | 東映東京撮影所 本館[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
大泉学園駅前:東調布駅前(中津留健吾がビラを配っていた場所)
プラネアール 谷原マンション2Fスタジオ[HP]<プラネアール谷原スタジオ>:中津留順子の住んでいたマンション
川崎マリエン[HP][当ブログの記事]:警視庁(刑事部長室、廊下)
プラネアール 上北沢1スタジオ:中津留健吾宅
スタジオジニアス 池袋グリーンスタジオ[HP]<スタジオジニアス池袋>:東調布総合病院(中津留健吾が入院した病院)
浴風会[HP]:城南大学 理工学部(外観)
東映東京撮影所[当ブログの記事]:東調布署(外観)
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