ツイッターに「医療クラスタ」と呼ばれる人たちがいますが、簡単に言うと「医療関係者」というところですかね。
この中で、去年から「PCR検査抑制派」などと呼ばれている人たちがいます。
「必要な検査には反対していない」などとおっしゃっていますが、過去の発言を見てみます。
PCR検査の特異度は本当に99%?
術前全例PCR。発症前日の感度30%(4日前は0%)、特異度99%、有病率0.01%なら10万人に検査してやっと3人の感染者を把握。偽陰性が7人と真陽性の2倍強。偽陽性1000人。偽陽性者は隔離、妊婦は帝王切開一択に。事後確率0.3%。ということを考えて決めよう。
— F. Sakamoto,MPH,CIC 坂本史衣 (@SakamotoFumie) May 22, 2020
コロナPCRの検査前確率0.5%、感度70%、特異度99%で計算したら、陽性に出た人のうち本当にコロナに感染している人は4人に1人しかいません。陽性に出た妊婦のほとんどが偽陽性になりますから、これで他施設に移されたり帝王切開方針になるとすると、PCRの害の方が大きすぎませんかね?
— EARLのコロナツイート (@EARL_COVID19_tw) June 23, 2020
「PCR検査抑制派」とされる人たちは、当初は「事前確率が低いと、特異度が99%とすると陽性的中率が低く、それによる害が大きい」という主張だったと記憶しています。
ですが、上にも出した坂本さんは
検査陰性による油断の方が怖いんですよ。
どのくらい陽性者を把握出来るかというと例えば東京医大で行った全例入院時検査での陽性率は0.03%(2/6224人)です。これをすり抜けた患者から広がるケースが起きています。 https://t.co/T4Dgy9kCbX
— F. Sakamoto,MPH,CIC 坂本史衣 (@SakamotoFumie) December 11, 2020
と、「陽性率0.03%」という例を出しています。
この陽性が全部偽陽性だったとしても、特異度は99.97%ということです。
「特異度が99%」という主張はさすがに無理があるのではないでしょうか?
特異度が99.9999%だとしても問題?
「検査前確率(事前確率)が低い場合には、やはり偽陽性の可能性は特異度がかなり高くてもゼロではない。偽陽性では本当は感染していないのに隔離されてしまう、時に感染のリスクが上がるようなところへ入れられてしまうなど、より人権的に問題になる結果を招くこともある。いずれにせよ、どこまでも問題です」
「特異度が99%というのは間違いだろ」という批判を受けてか、「PCR検査の特異度が99.9999%でも、議論は変わらない」という主張もありました。
ですが、「特異度が99.9999%」であれば、陰性なのに陽性となるのは「100万人に1人」です。
これで駄目なら「ゼロリスク信仰」と言われても仕方ないのでは?
CDCはこのうち昨年12月14~23日にファイザー製を接種しアナフィラキシーを起こした21人の報告書を公表。当時接種した約189万人に占める発生割合は100万人当たり11・1人だった。インフルエンザワクチンの同1・3人と比べると頻度が高いが、CDCは「極めてまれで、接種により新型コロナを予防する利益の方がリスクを上回る」とした。
CDCによると、ファイザー製のワクチンを接種してアナフィラキシーを起こしたのは「100万人当たり11・1人」だそうです。
「100万人に1人」で駄目なら、「100万人当たり11・1人」も駄目だと思うのですが、これは許容範囲なのでしょうか? 受ける害の種類が違うから比較できないのでしょうか?
※追記
この件について、「医療クラスタ」の発言の疑問点 その3(峰宗太郎氏の発言についての疑問)という記事を書きました。
無症状者はPCR検査で陰性証明(偽物の安心)を求めている?
実際、帰省する前に「陰性証明」のために無症状だけどPCR検査を受けた、という人もいたでしょうが、それが全てではなく、例えば吉田沙保里さんの場合、「日常の活動を続ける傍らPCR検査を受けており、無症状だけど陽性という結果が出た」ということですよね。
これを「検査陰性を過信した」と言えるのでしょうか?
実際にそういう人を見てきたからそう思うのでしょうが、全てがそうだと決めてかかるのはいかがでしょうか。
まとめ
「PCR検査拡充派」が求めているのは、「無症状の感染者を発見し、自宅待機なりホテル療養なりすることにより市中の感染者を減らす」ということだと思います。
そして、「PCR検査を増やせば全て解決」と言っているわけでもないと思います。
また、現在民間で行われているPCR検査は、陽性と出ても特に決まった対応もないらしく、それは問題だろうと思いますが。
※追記
欧州CDCが考える、検査5つの目的。(原文はリンク)
・流行抑制
・流行状況や重症度の把握
・医療機関等の各施設でのリスク低減
・クラスターや局所流行の検知
・達成された撲滅(elimination)状態の維持
未だに診断目的としか思っていない「専門家」も多い日本とは対照的。https://t.co/17v7Vk4Gci— ペン二郎 (@morilyn1123) September 30, 2020
欧州CDCが考える、検査5つの目的。(原文はリンク)
・流行抑制
・流行状況や重症度の把握
・医療機関等の各施設でのリスク低減
・クラスターや局所流行の検知
・達成された撲滅(elimination)状態の維持
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