放送日:2021年3月3日
あらすじ
公式
殺人の凶器は小説に描かれた“魔銃”!?
特命係が物語になぞらえた不可解な事件に挑む!『魔銃録』という人気小説の作者が銃殺される事件が発生。凶器は、数か月前、収賄疑惑を掛けられた代議士襲撃事件で使われた古い銃と思われたが、問題の銃はすでに警察が押収し、厳重に保管されていたため、ネットでは「魔銃が現れた」と騒がれていた。銃を「野蛮で旧式な武器」と嫌う右京(水谷豊)は、亘(反町隆史)と共に独自の捜査を開始。線条痕の再鑑定をしている警察庁の付属機関・科学警察研究所を訪れる。主任研究官である黒岩(上杉祥三)から事情を聞くと、問題の銃が持ち出された可能性も、鑑定が間違っている可能性もないと断言。犯罪の要因を研究している雅美(前田亜季)も、黒岩の鑑定を支持する。いっぽう捜査一課は、小説の熱狂的なファンや反感を抱くアンチ、さらに暴力団の関与も視野に捜査を進めていた。しかし、犯人も凶器も見つからず、ネットでは「魔銃は増殖する」などという噂が、まことしやかに囁かれていた。そして、捜査の背後では、“魔銃”を持つ者が、さらなる犯罪に動き出そうとしていた。
死を招く凶器“増殖する魔銃”は実在するのか!?
熱狂的な読者を持つ人気作家が殺害された理由は?
銃という“野蛮な武器”が驚がくの事件を呼び寄せる!ゲスト:前田亜季 上杉祥三
ネタバレあり
- 『魔銃録』という人気小説の作者・笠松が銃殺される事件が発生。3カ月前に『魔銃録』をまねて代議士を襲撃する事件が起きたが、その時使われたのが『魔銃録』に書かれていたのと同じ拳銃(コグバーン社製のデューク)で、科捜研の鑑定によれば3カ月前の代議士襲撃事件で使われた拳銃と今回使われた拳銃の線条痕が一致。しかしその銃は警察に押収されておりあり得ない、と右京と冠城は捜査を開始。
- 警察庁の付属機関・科警研(科学警察研究所)に保管されているということで科警研を訪れ、主任研究官である黒岩に話を聞くと、問題の銃が持ち出された可能性も、鑑定が間違っている可能性もないと断言。犯罪の要因を研究している久保塚も黒岩の鑑定を支持する。
- 3カ月前の事件を起こした原口に話を聞くと、「仕事から帰ったら玄関の前に紙袋が置いてあった」と説明。
- 『魔銃録』執筆の際に笠松が参考にした資料を読んでいると、『犯罪に対する見解と実行基準』という、享徳大学文学部心理学科と科学警察研究所の共同研究の論文に原口らしき人物の「もし特別な力を手に入れたとしたら国民をバカにしている政治家に正義の鉄槌を下す」というコメントを発見。「笠松はこれを見て『魔銃録』を書き、小説を読んでまさに自分のことだと感激した原口は笠松にファンレターを送ったのだろう、そして力を求めていた原口に『魔銃録』に出てきたのと同じ拳銃を渡したのだろう」と推理。「しかしその笠松は誰になぜ魔銃と同じ線条痕の拳銃で殺害されるに至ったのか」と疑問を口にする。
- 捜査一課は笠松へのファンレターから豊田という男を尾行し、職務質問をすると豊田はデュークを取り出し威嚇射撃。しかし出雲が説得して取り押さえる。豊田は笠松殺害は否認(アリバイが確認され、拳銃は原口と同じように紙袋に入った拳銃が玄関の前に置いてあった、置かれたのは笠松が殺害された後と供述)。
- 黒岩に調べてもらうと、3カ月前の拳銃と今回押収された拳銃は線条痕が違うという。この時冠城は拳銃の匂いに気付き、黒岩は「ガンオイルで匂いが独特」と説明。
- 黒岩が科警研の屋上から転落死。
- 黒岩の机から笠松宛てのファンレターのコピー(原口と豊田のもの)や論文の元データが見つかり、伊丹は「笠松殺しの犯人は黒岩で凶器は保管していた拳銃、捜査の手が自分に迫っていることを感じて覚悟の自殺」と推理。
- 倒れそうになる久保塚に近寄った冠城が久保塚の匂いで何か気付く。
- 右京と冠城は「最初に会った時にあなたの手からガンオイルの匂いがしたのを昨日思い出した、黒岩の同僚でもなく銃が嫌いで触るのも嫌だったはずのあなたからなぜガンオイルの匂いがしたのか、デュークは単純な構造で壊れにくく分解も容易、厳重な警備で銃そのものを持ち出すことは不可能だが銃弾に線条痕を付けるために必要なのは銃身のみ、ここから持ち出した銃身を別のデュークに付け替えて笠松を殺害した、動機は実験、力を欲している者に銃を渡したらどうなるのか、犯罪に走るのか、それとも踏みとどまるのか。あなたそれを確かめてみたかった、新作の構想に悩んでいた笠松に極秘資料を渡して『魔銃録』を書かせたのはあなたですね?」と久保塚に指摘。久保塚は「反響が大きくなって怖くなったそう、実験の邪魔をさせないために殺した」と認める。黒岩も冠城が匂いについて聞いた際に気付き、自首を勧めてきたが久保塚が「一度始めた実験は何があろうと最後までやり通す」と突っぱねたため手をつかんできて、振りほどこうとして突き落とす結果になった。久保塚は「私の頭に銃を突き付けたのはごく普通の少年、突発的で理不尽な暴力は誰にとっても無関係じゃない、その現実にしっかりと向き合うべき」と主張するが、右京は「あなたのしたことは力のない者の弱みにつけ込み犯罪へといざなう卑劣な行為、そんなことをしたところであなたの受けた屈辱が消えるはずもない、あなたのしたことは思い上がった独りよがりの愚かな行為」と断罪。
感想/気になる点など
- 笠松が『魔銃録』執筆の参考にしたという『西部開拓民が愛した銃・デューク』という本、架空のものとしてもISBN振ってるんだからバーコードもそれに合わせればいいのに。バーコードは作れなくても下の数字はいじれるだろうに。Cコードや定価もバーコードに反映されてないし。
- 「力のない者が暴力によって踏みにじられないようにと言っていた黒岩が今回のような犯罪を犯すとは思えない」って、それが本心だったかどうかなんてわからないじゃん。
- 荷物検査が厳重で拳銃を科警研から持ち出すことも不可能と言いながら、銃身だけなら持ち出せちゃうの? 銃身が持ち出せるのなら拳銃だって持ち出せると思うんだけど。あと、組み立てはいつしたの? 夜中のうちに? 出入りの時間を調べたらかなり怪しいんじゃない? 明るくなってからなら誰かに見つかったりしなかったの? あと、「(拳銃は)保管ロッカーの中に厳重に保管されています」って、ただ鍵付きのロッカーの中に入ってたってだけじゃん。鍵の管理とか誰が鍵を使ったかという話はまったく出なかったけど、その鍵を誰でも持ち出せて、誰が持ち出したかわからないのであれば「厳重に保管されている」とは言えないでしょ。
- 久保塚が銃を組み立てた後、最後に箱の中に入れた時は手袋をしていないように見えるけど、「もう指紋を調べることはないはず」という判断があったから? でも、黒岩が念のためでも調べてたら言い逃れの難しい状況になったんじゃない? 銃の組み立て時もそうだけど、どうして手袋しなかったの? 箱やロッカーも素手で触っているように見えるし。
- 最後のBGM、もうちょっと重い内容で流してほしいな。今回の内容はそれだけ重いと思ったのか?
- 冠城が益子から受けた講習って何なの?
キャスト
水谷豊:杉下右京
反町隆史:冠城亘
森口瑤子:小出茉梨(家庭料理こてまり 女将)
川原和久:伊丹憲一
山中崇史:芹沢慶二
山西惇:角田六郎
浅利陽介:青木年男
篠原ゆき子:出雲麗音(捜査一課)
田中隆三:益子桑栄
片桐竜次:内村完爾
小野了:中園照生
前田亜季:久保塚雅美(科学警察研究所犯罪予防研究室 研究員)
上杉祥三:黒岩雄一(科学警察研究所法科学第二部機械研究室 主任研究官)
小林峻:原口雄彦(代議士を襲撃した男)
川合智己:豊田充(「魔銃」を持っていた男)
真田幹也:笠松剛史(小説家、『魔銃録』の作者)
西原純:貴戸(笠松の担当編集者?)
緒口幸信:楠木正治(収賄疑惑がありながら不起訴になった代議士)
岸本康太:楠木のSP
カイエリック・ランドマン:久保塚雅美に銃を突き付けた少年
鍜治洸太朗:楠木のSP
主な複数回出演者
- 前田亜季は笠井夏生役で相棒6 第6話 「この胸の高鳴りを」に出演。
- 上杉祥三は熊沢武明(東調布署 刑事)役で相棒6 第18話 「白い声」、伊縫剛(伊縫組 組長)役で相棒14 第15話 「警察嫌い」に出演。
- 小林峻は都築修(イーニアスジャパン 社員)役で相棒11 第17話 「ビリー」、猪口勇人役で相棒15 第6話 「嘘吐き」に出演。
- 真田幹也は坂崎保(西多摩刑務所 刑務官)役で相棒14 第1話 「フランケンシュタインの告白」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
---|---|
笠松剛史が撃たれた場所 | 東映東京撮影所 No.5ステージと技術館の間[地図] |
楠木正治が襲撃された場所 | ホテルメルパルク TOKYO |
科学警察研究所 | 群馬県立群馬産業技術センター[HP][地図] |
警視庁 刑事部長室 | 川崎マリエン 第6会議室[HP] |
東京拘置所 通路 | さいたまスーパーアリーナ 地下関係者通路[HP] |
豊田充を逮捕した場所 | 東映東京撮影所 残材分別所前[地図] |
科学警察研究所 屋上 | 東映東京撮影所 Gスタジオ屋上[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
東映東京撮影所[当ブログの記事]:笠松剛史が撃たれた場所、豊田充を逮捕した場所、科学警察研究所 屋上
ホテル メルパルク TOKYO:楠木正治が襲撃された場所
群馬県立群馬産業技術センター[HP]:科学警察研究所
川崎マリエン[HP][当ブログの記事]:警視庁(刑事部長室)
さいたまスーパーアリーナ(地下関係者通路)[HP]:東京拘置所 通路
コメント