Taka氏がまた何やら言っています。
検査とベイズの定理について、論理的ではない批判ばかりなので反論するのをやめていたら「検査についてちゃんと書け」と言われたので、過去に何度も説明しているツリーを載せておきます。
とりあえずこれを最後まで読んだら、言わんとしていることはわかると思います。https://t.co/7FAnGgAtDp
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) May 2, 2021
「検査についてちゃんと書け」と言われたので、過去に何度も説明しているツリーを載せておきます。
とりあえずこれを最後まで読んだら、言わんとしていることはわかると思います。
というわけで、その過去のツリーを読んでみます。
検査に関して今一度整理すると、「検査そのもの」は絶対に感染を治さないし流行を収束させないので、検査後の戦略が極めて重要です。
陽性ならこうする、陰性ならこうする、と次の行動が明確に決まっていないと意味がありません。
これは臨床医学でも公衆衛生学でも普遍的な考え方です。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) December 13, 2020
検査に関して今一度整理すると、「検査そのもの」は絶対に感染を治さないし流行を収束させないので、検査後の戦略が極めて重要です。
それはそうでしょうね。ですが……
例えば、検査感度を90%、特異度を99.99%としても、事前確率が30%の集団に検査をしたら
陽性→真陽性率99.98%
陰性→真陰性率93.7%検査陰性の人でも6.3%は見逃します。
もし感度が70%だったら偽陰性は実に17%に上ります。
この状態で検査陰性の人の取るべき行動とはなんでしょうか?
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) December 13, 2020
例えば、検査感度を90%、特異度を99.99%としても、事前確率が30%の集団に検査をしたら
では濃厚接触のない無症候者の場合はどうでしょうか?
事前確率が0.01%とし、感度90%、特異度99.99%とすると
陽性→真陽性率47.4%
陰性→真陰性率100%検査陽性なら2週間隔離、検査陰性ならマスクを着けて社会経済活動に参加。
偽陽性の人に我慢してもらえるなら「検査後の戦略」はよいでしょう。
— 手を洗う救急医Taka(木下喬弘) (@mph_for_doctors) December 13, 2020
では濃厚接触のない無症候者の場合はどうでしょうか?
事前確率が0.01%とし、感度90%、特異度99.99%とすると
上記の仮定は明らかに間違っています。
「特異度」の計算にヒューマンエラーであるコンタミを入れるのが適切かというと疑問がありますが、「偽陽性」の多くはコンタミであると想定して特異度の数値を仮定していると思われ、その場合は事前確率が変わればコンタミの発生頻度も変わり、結果特異度も変わります。
なのにそれを反映していない仮定を置いて効果を検討するのは間違った結論に至るだけです。
これはやっぱり、立派な「検査抑制派」ですね。
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