韓国には「추석」(秋夕、チュソク。以下、「チュソク」とします)というものがあります。
旧暦の8月15日に家族が集まり、祖先を迎える祭祀を行ったりするのですが、日本語でこれを「旧盆」と言う人がいます。
韓国 秋夕(旧盆)期間の営業について
9月21日(火)は旧暦でのお盆となり、9月18日(土)から9月22日(水)の間は韓国では公休日となります。
今月18日からの土日を含めた旧盆の秋夕(チュソク)連休中には、大規模な人の移動が予想されており、防疫当局は感染がさらに拡大するおそれがあるとして警戒を強めています。
ですが、僕は「チュソクを旧盆と言うのは間違っているのではないか」と思うので、そう思う根拠を説明していきます。
改めて、チュソクについて。
- 時期:旧暦の8月15日。いわゆる「中秋」。
- 行事:祖先を迎える祭祀などを行う。
内容としては日本のお盆と似ていて、時期は旧暦の8月15日。日本でのお盆は新暦の8月に行うところが多いから、「正月」(新暦の正月)に対する「旧正月」(旧暦での正月)のように、チュソクを「旧盆」と呼んでいるのだろうと思います。最初に引用した記事でも「旧暦でのお盆」と書いていますし。
ですが、もともと日本のお盆は7月なんです。
お盆(おぼん)は、日本で夏季に行われる祖先の霊を祀る一連の行事。日本古来の祖霊信仰と仏教が融合した行事である。
かつては太陰暦の7月15日を中心とした期間に行われた。
明治期の太陽暦(新暦)の採用後、新暦7月15日に合わせると農繁期と重なって支障が出る地域が多かったため、新暦8月15日をお盆(月遅れ盆)とする地域が多くなった[1]。
(中略)
旧暦7月15日(旧盆)
沖縄・奄美地方など。旧暦によるとお盆の日程は毎年変わり、時には9月にずれ込む[注釈 1]。
新暦7月15日(もしくは前後の土日)
東京などの大都市部や東北・北陸地方の一部の都市など農繁期と重ならない地域では新暦7月15日となっている[1]。東京盆と呼ぶこともある[1]。
函館[注釈 2]、東北地方の一部[1]、東京下町・横浜中心部・静岡旧市街地、栃木市旧市街地、山形県鶴岡市街地区(鶴岡市鶴岡駅前、白山、赤川堤防西岸、文下田南、外道地区以北)、石川県の一部(金沢市旧市街地、白山市旧美川町地区、かほく市旧高松町高松地区)など[1][3][4]
新暦8月15日(月遅れ盆)
ほぼ全国的に多くの地域。
もともとは旧暦の7月15日ごろに行われていたものが、太陽暦の採用後に旧暦の7月15日ごろ、新暦の7月15日ごろ、新暦の8月15日ごろ、と地域によって時期が分かれ、旧暦の7月15日ごろに行うものが「旧盆」と呼ばれているのです。
ですので、現在多くの地域で8月15日ごろにお盆の行事が行われていても、それを「(新暦の)盆」として、チュソク(旧暦の8月15日)を「旧盆」とするのは間違いだと思います。
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