韓国語で、ハングルは基本的に表音文字なのですが、結構発音変化が起きます。
その一つ、「有声音化」。簡単に言うと、ㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈは語頭では濁らないで発音しますが、語頭以外では濁る、といった感じです。
例えば、ㄱは語頭では「カ行」で語中・語末では「ガ行」、こんな具合に。
で、韓国では人の名前を呼ぶ時にフルネームで呼ぶ場合と下の名前だけで呼ぶ場合があります。
すると、名前がㄱ、ㄷ、ㅂ、ㅈで始まる場合、下の名前だけで呼んだら濁らないけど、フルネームで呼ぶと濁る、ということがあるのですが、
NHKで放送する韓国ドラマではこの場合、「フルネーム」と「下の名前のみ」での片仮名の表記から変えてしまいます。
今放送中の「王女ピョンガン 月が浮かぶ川」の登場人物を見ると、
エラー - NHK
オン・ダル[タル]
ヨム・ガジン[カジン]
のように、「フルネームで呼ぶ場合」と「下の名前だけで呼ぶ場合」の2種類を記載しています。
個人的には「固有名詞なのに複数の表記があるのはおかしい(片仮名の表記は一つに定めるべき)」と思いますが、これはこれで一つの考え方として理解できなくはないです。「なるべく韓国語での音に近づける」という意味で。
ですが、そうするのであれば、それ以外の発音変化も反映させるべきです。例えば、박명수(パク・ミョンス)は「パンミョンス」、박해수(パク・ヘス)は「パケス」のように、名字も含めて変化させるべきですし、オン・ダルに向かって「달아」(タラ)と呼び掛けている場合は「タル」ではなく「タラ」とすべきです。「韓国語での音に近づける」のがそれだけ大事ならば。
それをせず、名前の最初の音が濁るかどうかだけは反映させるのは理解できません。それどころか、気持ち悪くて仕方ありません。
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