放送日:2021年11月24日
あらすじ
公式
被害者家族に向けられる非情な声
事故多発の川に潜む妖怪の正体は!?右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、小学生の女の子が若い男に、「どこに隠したの! 早く返してよ!」と詰め寄っているところに居合わせる。見かねて割って入ったところ、2人は親権を失った父親と、娘であることが判明。事情を尋ねようとするが、女の子は理由も語らず、走り去ってしまう。翌日、川で行方不明になっていた男の子が、意識不明の重体で発見されたというニュースが流れる。右京たちは、SNSにさらされている家族写真に、昨日の女の子が写っていることに気づく。写真は、少年の母親である千夏(黒坂真美)を糺弾するため、ネット民が無断で載せたものらしい。昨日出会った少女・百花(米村莉子)が言っていた「返してよ!」という言葉から、不穏な気配を察した右京と亘は、独自に周辺を調べ始める。すると、問題の川では、近くの工場に勤める若い男性が、溺死する事故が起きていた。さらに、再会した百花から話を聞くと、いまだ意識が戻らない弟は、“かわおとこ”という妖怪に連れ去られたのだと主張し…!?
少年を溺れさせたのは川に潜む謎の生物!?
同じ場所で発生した溺死事件との関係は?
特命係が妖怪ハンターとなり超常現象に迫る!ゲスト:黒坂真美 米村莉子
ネタバレあり
- 右京と冠城は小学生の女の子が若い男(男は父親だが離婚して親権なし)に、「どこに隠したの! 早く返してよ!」と詰め寄っているところに居合わせる。
- 翌日、川で行方不明になっていた男の子(悠太)が意識不明の重体で発見されたというニュースが流れるが、掲示板でさらされている家族写真に前日見掛けた女の子(百花)が写っていることに気付き、調べ始める。
- 町へ行って話を聞くと、「近くに城西エレクトロニクスの工場排水の汚染のせいで3年前に魚が大量死した、行政の検査が入って有害物質は流せないようにしたはずなのに最近また魚が死んだ」「4カ月前にも近くの会社の社員(荻野)が溺死した」という。そこに百花が来て「悠太は川男に引っ張られた」と主張。
- 荻野が溺死した現場に行くと同じ会社(笹沼硝子)の高部がおり、荻野の供養で来ていたという。
- 悠太がいなくなった場所に行くと百花がいたので川男の絵を描いてもらい、目撃情報が入った場合には連絡するよう頼む。
- 笹沼(笹沼硝子の社長)に話を聞く。水難事故のついでに排水処理につても話を聞くと、廃液は川には流さずタンクに貯蔵して処理しているという。
- 荻野の件を調べると、頭部に外傷はあるが死因は溺死で間違いないと確認。また、「川男」はマイナーな妖怪で、マニアックな著者が書いた「妖怪図鑑」に載っている絵と百花の描いた絵が酷似していることも判明。
- 百花から呼び出されて町に行くと、食堂の女将が川男を見たという。話を聞くと「先月の15日に川沿いを歩いていたら黒くて背の高い人影が見えた、場所は以前百花が見たのと同じ」と言うが、百花がいなくなると「ただの釣り人だと思う、あの子があちこち聞いて回ってるのがふびんでつい」と付け加える。
- 目撃した場所を案内してもらうと荻野が溺死した場所に到着。そこで釣り用の靴(自分でピンを打ったもの)の跡を見つけ、水質調査の検査キットのふたも発見。
- 食堂の女将に「魚がまた死んでいた」という話をするよう頼んでおり、川に高部がやってくる。そこで「川男の正体はあなた。月命日でもないのに川に来ていたのが不思議だったがあの日あなたは荻野の供養ではなく意識不明で発見された悠太が助かるように祈っていたのではないか。事故の責任を感じて」と指摘。さらに、荻野が死んだのも女将に目撃されたのも悠太が行方不明になったのも15日だったことから、「水質検査のために水をくむためではないか、黒いウェーダー姿のあなたが子どもの目には妖怪に見えたのだろう、悠太はあなたを追って淵にはまったのではないか」とも指摘すると、高部は採水している時に子どもが来たが母親の声もしたのでまさか川に入ると思わずに立ち去ったという。
- 検査していた理由について、「タンクから廃液が漏れて地中に染み込めば地下の帯水層を通って目の前の川にも流れ込む、最近起きた魚の異常死・汚染の発生源は笹沼硝子だった」と指摘すると高部は「半年前貯水タンクの破損事故が起き、荻野が土壌の調査を進言したが笹沼には様子を見るよう言われた。荻野は1人で川の水を調べ始めた。あの淵の他にあの淵の上流と下流の合わせて3カ所を調べており、荻野が残したデータが無駄にならないように自分が水質調査を続けた」と認める。冠城が「せめてピンを打った靴を履いていれば転倒を防げたかもしれない」と言うと高部は「打ってたはず」と返す。右京はこれまでの水質データを要求し「荻野の命を奪ったのは川ではないかもしれない」とこぼす。
- 荻野が死んだ日に川の近くの防犯カメラの映像に笹沼が映っていること、荻野が溺死したとされる場所では有害物質が検出されているのに荻野の肺に残っていた水からは検出されていないことなどを突き付けて笹沼を任意同行(その後の調べで笹沼の車から荻野の血痕が見つかる)。
- 百花は「宿題あるから川に行けないって言ったけど本当は家でゲームをして遊んでた、宿題あるなんてうそついてごめんなさい、うそついてたことずっと言えなくてごめんなさい」と泣いて母親に謝る。
- 悠太の指が動く(意識が戻った?)。
感想/気になる点など
- なぜ今回は頑なに警察であると言わなかったのか? 普段はすぐ手帳出すのに。
- 廃液をためたタンクの破損事故が起きたなら、報告義務があるんじゃないの? 水質汚濁防止法を見ると、今回の事故の場合には「工場又は事業場の設置者」は報告義務がありそうだけど、その「設置者」は法人なわけで、社長が止めたからって黙ってしまう社員も同罪じゃないの? なんで「調査」って話になるの?
- 右京は高部に対して「悲劇を止める機会がありながら何もしなかったあなたに罪がないとは言えない」って言うけど、それはどんな罪? 過失? 不作為? それは「罪」と言うべきものなの? あと、そう言ってしまうと川辺で子どもから目を離した母親にも当てはまると思うのだけど、右京はそういう考えなの? これを認めると、第11話 「オマエニツミハ」で「右京にも罪はあった」ということになるのでは?
- 「テトロエデンは特に淵で顕著に検出された」って言うけど、「中流」(淵)では49.3、「下流」では48.1で、「特に淵で顕著に検出された」とは言えないのでは?
- 悠太が発見されて、右京と冠城が最初に奥武蔵野町に行ったのが10月17日。それから連日奥武蔵野町に行っているように見えるけど、第6話 「マイルール」では10月18日は福山光一郞の遺体が発見されていろいろ動き回っている。まあ、よくあることだよね。
キャスト
水谷豊:杉下右京
反町隆史:冠城亘
森口瑤子:小出茉梨
川原和久:伊丹憲一
山中崇史:芹沢慶二
山西惇:角田六郎
浅利陽介:青木年男
篠原ゆき子:出雲麗音
米村莉子:辻浦百花
黒坂真美:辻浦千夏(百花と悠太の母親)
佐藤貴史:高部行人(笹沼硝子 社員)
三波豊和:笹沼敏夫(笹沼硝子 社長)
土居正明:安田秀人(百花と悠太の父親、千夏と離婚して親権なし)
辻大樹:荻野義彦(笹沼硝子 社員、4カ月前に川で溺死)
重田千穂子:和久井倫世(奥武蔵野町の町民、食堂和久井の女将)
佐野美幸:奥武蔵野町の町民
北林悌:奥武蔵野町の町民
岡部恭子:奥武蔵野町の町民
松木研也:悠太が発見されたニュースを読むアナウンサー
晴瑠:辻浦悠太
主な複数回出演者
- 黒坂真美は白坂由美役で相棒4 第13話 「最後の着信」に出演。
- 辻大樹は宮川俊介(厚子の息子)役で相棒17 第12話 「怖い家」に出演。
- 佐野美幸は鉄道警察隊の鑑識役で相棒13 第11話 「米沢守、最後の挨拶」に出演。
- 北林悌は稲荷湯(銭湯)役で相棒12 第10話 「ボマー~狙撃容疑者特命係・甲斐享を射殺せよ!」に出演。
- 岡部恭子は小宮ユキ(撮影スタッフ?)役で相棒14 第11話 「共演者」、老人ホーム職員役で相棒17 第17話 「倫敦からの刺客」に出演。
ロケ地
劇中の場所 | 撮影場所 |
---|---|
武蔵野川(悠太が行方不明になった場所。荻野が殺された場所も?) | 北浅川(陵北大橋の見える辺り)[地図] |
冠城が「生春巻きが絶品の店」と言っていた店 | インド ナンハウス(浅草橋)[地図] |
武蔵野川(「武蔵野川を守る会」の人たちがいた場所。その後右京と冠城が歩いた土手や城西エレクトロニクスが見える景色はもう少し上流と思われる) | 南浅川(浅川に合流する辺り)[地図] |
悠太が入院した病院(内部) | プラネアール みずほ台井上病院スタジオ[HP] |
辻浦親子が住んでいる部屋 | プラネアール 東大泉4Fスタジオ(401)[HP]<プラネアール東大泉スタジオ> |
笹沼硝子 | 下河原水再生センター[地図] |
和久井食堂 | 市場食堂(さいたま市桜区)[地図] |
笹沼硝子(右京と冠城が高部行人と話をした部屋) | 東映東京撮影所 本館 2階 会議室[地図] |
笹沼硝子(高部行人が荻野義彦と話をした廊下) | 東映東京撮影所 本館 2階 廊下[地図] |
悠太が入院した病院の屋上 | 東映東京撮影所 Gスタジオ 屋上[地図] |
<撮影場所ごとのまとめ>
北浅川(陵北大橋の見える辺り):武蔵野川(悠太が行方不明になった場所。荻野が殺された場所も?)
インド ナンハウス(浅草橋):冠城が「生春巻きが絶品の店」と言っていた店
南浅川(浅川に合流する辺り):武蔵野川(「武蔵野川を守る会」の人たちがいた場所。その後右京と冠城が歩いた土手や城西エレクトロニクスが見える景色はもう少し上流と思われる)
プラネアール みずほ台井上病院スタジオ[HP]:悠太が入院した病院(内部)
プラネアール 東大泉4Fスタジオ[HP]<プラネアール東大泉スタジオ>:辻浦親子が住んでいる部屋
下河原水再生センター:笹沼硝子
市場食堂(さいたま市桜区):和久井食堂
東映東京撮影所[当ブログの記事]:笹沼硝子(右京と冠城が高部行人と話をした部屋、高部行人が荻野義彦と話をした廊下)、悠太が入院した病院の屋上
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